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着物の「やまと」がパリに初の常設店 

着物の「やまと」は、パリに常設店を4月上旬に開く。2024年1月から約1年にわたって営業したポップアップストアが好評だったことを受けて本格進出を決めた。矢嶋孝行社長は「パリはさまざまな国のクリエイターが交わる場所。売り上げも大切だが、それ以上にパリに常設の拠点を置くことでコラボレーションの機会が生まれ、着物に新しい価値が加わることを期待している」と話す。

パリのマレ地区に店舗面積83平方メートルの路面店を出す。ポップアップストアで展開していた女性向けの「キモノ バイ ナデシコ(KIMONO BY NADESHIKO)」と男性向けの「ワイ&サンズ(Y. & SONS)」の2ブランドを売る。

常設店出店を視野に、23年にフランス法人を設立した。24年にポップアップストアを営業した際は、フランス国内の客が半分、国外の客が半分だった。ファッションに造詣の深いクリエイティブな職業の人たちの購買が多く、日本の伝統文化やものづくりの背景に対する関心が高かった。着物の着こなし方は自由で、羽織りの着物をコートのような感覚でジーンズやスカートに合わせるコーディネートが人気だという。羽織りの着物の中心価格は10万円弱。

常設店では、ポップアップストアでは難しかった意匠をこらした空間を作る。着物への造詣が深い日本人スタッフが接客し、織りや染めなどの技法、着付けや手入れ方法などを伝える。着物だけでなく、手ぬぐいや小物入れなど比較的手頃な価格の雑貨も充実させ、エントリーユーザーも利用できるようにする。

矢嶋社長の意気込みは強い。「昨年のポップアップストアを通じて、インドの刺繍専門家やセネガルのアーティストと結びつきができた。パリで活躍するスタイリストやデザイナーも店に足を運んでくれた。これらと日本の産地を結びつければ、新しい着物文化が生まれるかもしれない。パリから着物の可能性を広げていきたい」と話す。

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