ファッション

「ナイキ」がキム・カーダシアンの補正下着ブランド「スキムス」と共同ブランドを設立

2月18日(現地時間)、「ナイキ(NIKE)」はキム・カーダシアン(Kim Kardashian)の補正下着ブランド「スキムス(SKIMS)」とパートナーシップを締結し、新ブランド「ナイキスキムス(NIKESKIMS)」をローンチすることを発表した。アパレル、フットウエア、アクセサリーで構成する予定のファーストコレクションは、公式オンラインストアと一部店舗で今春発売予定。2026年にはグローバル展開を計画している。

これにより、ニューヨーク証券取引所で「ナイキ」の株価は6.2%以上上昇し、77.5ドル(約1万1800円)で取引を終えた。

カーダシアンは今発表について「両ブランドはともに女性の揺るぎない信念に基づいて革新を求め、包括性的な社会を目指し限界を押し広げてきました。このパートナーシップは共通のビジョンの集大成として、デザインに細心の注意を払い、全ての人の体型を美しく魅せる商品を提供します」とコメントした。

この提携は、これまで外部企業とブランドを立ち上げたことのない「ナイキ」にとって新たな方向性を示すものとなる。これについて一部の評論家は、本パートナーシップを通してブランド内部に潜む欠陥が明らかになったと考察する。

「一見すると、『ナイキ』と『スキムス』の親密性と革新性を組み合わせたこのパートナーシップはとても良いもののように思える。これを通して、『ナイキ』が長年課題としているウィメンズのアパレルとアクセサリー部門への注目度を高めることができるだろう」とグローバルデータリテール(GlobalData Retail)のマネージング・ディレクターのニール・サンダーズ(Neil Saunders)は語る。

「『ナイキ』が自分でやらずに、他者とのパートナーシップを締結することを選んだのは興味深い」とサンダースは続ける。「理論上、『ナイキ』はウィメンズウエアを生み出すためのスキルは全て備えているはず。しかし現実では、ストーリーを伝え、革新を生み出し、消費者に驚きを与える機能を失っている。『スキムス』とのパートナーシップは、このような弱点を克服するきっかけとなるだろう」

成果を生み出すには、両ブランドを強化する必要がある。「なぜならこの市場はすでに混雑しきっているからだ。『ルルレモン(LULULEMON)』のようなブランドでさえ北米での売り上げが減少の一途を辿っているのは、市場が飽和していることが理由だ」と最後にサンダースは付け加えた。

ジェフリーズ(Jefferies)の株式調査チームの見方はより前向きで、今回のパートナーシップのマイナス面は限定的として好意的に捉えている。

同社は報告書の中で、新ブランドは「『ナイキ』の革新性と『スキムス』の包括性を生かし、フィットネスとアクティブウエア市場を推し進めていくことを約束している。成長への長期的なポテンシャルと市場の混乱は魅力的であり、このコラボレーションは業界にとって注目すべき発展につながる」と述べた。

ナイキのハイディ・オニール(Heidi O'Neill)=コンシューマー&マーケットプレイス部門プレジデントは、「両ブランドの良さを結集したこの提携は、共通の情熱と革新への取り組みで業界を揺るがす素晴らしい機会を切り開く。そして強さとセクシーさを感じさせるアイテムで、さらに多くのアスリートをスポーツへと誘うだろう」語った。

さらに「スキムス」共同創業者兼最高経営責任者のイェンス・グリード(Jens Grede)は、「過去5年間、『スキムス』は下着とラウンジウエア業界を再定義してきた。そして今回、機能性と革新性を誰もが認める『ナイキ』と提携することで、私たちは世界のフィットネスとアクティブウエア市場に新しい基準を作り出す準備を整えた。『スキムス』のボディーコンフィデンス(自分の体に自信を持つこと)の追求と、『ナイキ』の絶え間ない卓越性の追求を融合させることで、個人が本当の自分を表現できるようサポートする」と説明した。

非上場企業である「スキムス」は、包括性を重視した下着ブランドとして2019年に設立。水着やアクティブウエアにも事業を拡大しており、全6店舗を展開する現在の評価額は40億ドル(約6080億円)を超えている。21年夏季東京オリンピック・パラリンピックでは、米国代表チームの女子チームの公式下着に採用されるなど、高い評価と人気を獲得している。

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