2025-26年秋冬コレクションサーキットが開幕しました。まずはメンズからのスタートで、イタリア・フィレンツェからミラノ、パリの3都市が続きます。「WWDJAPAN」は、大塚千践「WWDJAPAN」副編集長とパリ在住のライター井上エリ、そして藪野淳・欧州通信員の大阪出身“浪速トリオ”が現地でほぼ丸一日かけて総力取材します。注目ブランドのコレクション情報はもちろん、ショーの裏側やこぼれネタなど、愛のある正直リポートをお届けします。
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11:00 「サカイ」
パリ・メンズ最終日は、「サカイ(SACAI)」でスタートです。冷たい風が頬を刺すパリから、ショー会場のパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)へ足を踏み入れると、砂漠の風景へと一変。没入感のある会場セットで阿部千登勢デザイナーは、ゲストを冒険の旅へといざないます。荒々しさと洗練さを掛け合わせたコレクションでは、見たことのないシルエットに目を奪われ、ショーはあっという間に終わってしまう感覚がありました。本能的な欲求に従うワイルドな旅というコンセプトも、ミラノとパリで感じた今季のムードと合致し、最終日の「サカイ」でコレクション取材全体を総括してもらえた気がしました。
阿部デザイナーがコレクションに込めたのは、“仲間と共にワイルドサイドを進んでいこう”というメッセージ。今季の、メンズとウィメンズ合わせて69にも及ぶルックの中には、「サカイ」が美学を共有し“仲間”と捉える、さまざまブランドとのコラボレーションを含んでいます。26年前に5型のみのコレクションで始まり、今ではここまで影響力を持つ、世界的に名の知れたブランドに成長したのは、まさに“仲間”と共に創造性を磨いてきたからこそ。「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」――そんなアフリカのことわざを想起させるショーで、「サカイ」は多くの“仲間”を引き連れて、まだまだ遠く彼方まで開拓しそうな勢いを感じます。ブランドに限らず、メディアや、あらゆる業種にも当てはまるメッセージです。多彩なコラボ満載のコレクションの詳細は、フォトグラファー土屋航さんによる写真と共に、別記事でお届けしています。
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