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特集 ドラッグ・バラエティーストアのPB戦略 第2回 / 全8回

「マツキヨ」のPBは価値観に基づく製品開発で着実に新客を獲得

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  • 価値観に基づく製品開発で着実に新客を獲得

低価格と品質の両立を武器に、ドラッグストアのPBが急成長している。近年は大手メーカー顔負けの製品開発や独自のマーケティング戦略により、消費者の支持を集めている。なぜ、いまPBが台頭しているのか。各社の戦略をひもときながら、その勝算を探る。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月24日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)

MATSUMOTOKIYOSHI

マツモトキヨシ

PRIVATE BRAND INFORMATION
化粧品PB取り扱い年:1980年代
ブランド名:マツキヨ(MATSUKIYO)」「ザ・レチノタイム(THE RETINOTIME)」「アルジェラン(ARGELAN)」「ルンタ(LUNG TA)」「レプリカノーツ(REPLICA NOTES)」「レシピオ(RECiPEO)」「エムキュア(MQURE)」「ネイク(NAKE)」「ナレッジ(KNOWLEDGE)」
中心価格帯:未設定
取り扱い店舗数:3700店舗強

価値観に基づく製品開発で
着実に新客を獲得

マツキヨココカラ&カンパニーの売上高は、42.1%を化粧品が占める。PBでは中心顧客である女性に向けてロカボ(低糖質)の菓子やプロテイン、サプリメントなどを展開するほか、昨年10月にはコラーゲンやヒアルロン酸などの美容成分を配合した菓子「ボウドルチェ(BEAU DOLCE)」を発売。同月フェムケアブランド「フェムリサ(FEMRISA)」を立ち上げるなど、化粧品にかかわらず女性のライフスタイルに寄り添った製品開発を行う。その手法については、顧客への設問から「お客さまDNA」を割り出し、その顧客が購入する製品から「商品DNA」を設計。「『このような製品を買う人は、こうした意識を持っている』という意識スコアを基に、製品を開発している。意識スコアの例は美容や健康への意識が高い、メジャーな製品を選びやすい、SNSの影響を受けやすいなど。つまり顧客を年齢や性別などではなく価値観で分析している」。ターゲットを策定した後はワークショップなどを通して、消費者のインサイトを収集。NBで取り込めていない新しい価値観の顧客に向けて製品を開発することで、ブランドスイッチングをほとんど起こさず、カテゴリー全体の売り上げアップにつなげている。「マツモトキヨシ(以下、マツキヨ)は会員カードやアプリ、LINEの“友だち”などを併せ、1億5000万以上の顧客接点を持つ。購買行動の分析は、内部データのほか外部データも活用。昨年12月に完全子会社化した美容メディア『リップス(LIPS)』を通じて、口コミデータなども蓄積できる。またマツキヨは駅前の小型店舗から郊外の大型店舗まで幅広く展開しているため、多種多様な購買データを持っている。化粧品メーカーは当社の分析力の精度を信頼し、NBの売り上げを落とさずにPBで新客をとれるということで協業してくれる」。

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