旗艦店の移転リニューアルを終えた今、リステアが次に取り組むのは221 リステア(221 RESTIR)という新事業だ。221 リステアは、移転した店舗と軒を連ねる、サーフショップと「ルシェルブルー(LE CIEL BLEU)」のブティックの複合ビルの名称でもあるが、新事業はこれとは全く別。「未来のファッションを担う層」を育成すべく、自社ブランドとセレクト、雑貨などを網羅した刺激的なショップとする。自社ブランドとジャパニーズ・クリエイターの商品を、海外に発信することまで目指す。
ーー221 リステアをスタートするきかっけは?
リステアは、感度の高い一流のお客さまから支持されてきたが、最近の若い世代のファッション離れに危機感を抱いている。モードやファッション、カルチャーに興味を持ってもらえるような刺激的なショップを作って、将来この店の卒業生がリステアで買い物を楽しんでくれるようになれば。
ーーショップのコンセプトは?
"ユースカルチャー"がキーワード。非現実で特別感のあるリステアとは対極に位置する、20〜30代の男女のリアルな生活に、ファッションを取り入れていくための"訓練"の場にしたい。"リステア・ブロック"に構える221 リステアは、1階にスムージーバーを併設するサーフショップ「リステア サーフ サイド」、地下1階に「ルシェルブルー」を有するビルの名称。今後拡大する221 リステアは、全く別の店舗だ。新しい221 リステアは8月、大阪・梅田にオープンする。普段からラグジュアリーブランドと接する機会が多く、海外と日本のデザイナーのもの作りに対する考え方の違いに危機感を覚えることがある。売れるか売れないかだけでなく、面白いことに挑戦する人たちを応援したり育てたり、発表したりする場を作っていきたい。
ーー具体的なコンテンツは?
モードなテイストにリブランディングした「ルシェルブルー」を扱うほか、知的でクリーン、モードなメンズの新ブランドを梅田店のオープンに合わせてスタートする。この2ブランドが商品構成の8割を占めるが、リアルとクリエイションのバランスが良い新進気鋭のブランドやコスメ、雑貨などのギフトも揃えたい。
ーー都内への出店予定は?
来年3月、神宮前にオープンを予定している。まずは5店舗、将来的には8店舗まで増やす予定。「ルシェルブルー」とメンズの新ブランドなどを日本から発信するので、欧米を中心に海外の主要都市にも積極的に出店する。店によって、サーフショップやカフェを併設するなど、バリエーションをつけていく。
ーー海外出店を強化する意図は?
リステアは、我々がカッコいいと思った商品を顧客に納得して、購入してもらうというビジネスを行なってきた。これが通用する場所は、国内でも限られている。「ルシェルブルー」もメンズの新ブランドも、一般的なセレクトショップのオリジナルとは異なるもの。「メード・イン・ジャパン」のクオリティを強みに、独立したブランドとして打ち出していく。欲しかったブランドを手に入れたときの満足感を若い世代にも経験してもらいたい。