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TOYOTA 「SUPER FORMULA DIRECTORSCUT」 最優秀クリエイターに聞く作品に込めた思い

INDEX
  • 近藤真彦や中臺孝樹、WWDJAPAN編集長らが最優秀作品を選出
  • “どんな環境でもレースは止まらない“そんな思いを込めた
  • 「提供される映像や音楽を自由に使い楽しみながら制作できた」
  • 今後も新進気鋭な才能を発掘し、新たな価値を創造し続ける

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トヨタ自動車(以下、トヨタ)は、クリエイターとの共創プロジェクト「TOYOTA DIRECTORSCUT(トヨタ ディレクターズカット)」の第3弾として、「SUPER FORMULA DIRECTORSCUT(スーパーフォーミュラ ディレクターズカット)」を実施し、727作品の応募の中から受賞作品を決定した。

このプロジェクトは、国内最高峰のフォーミュラレースシリーズ「全日本スーパーフォーミュラ選手権(SUPER FORMULA)」の新たな魅力を引き出す映像作品を募集するもの。応募者は、トヨタが提供する300以上の新撮素材や、14組のアーティストが制作した20曲の楽曲を自由に使用し、作品を制作した。

近藤真彦や中臺孝樹、
WWDJAPAN編集長らが最優秀作品を選出

審査は、日本レースプロモーション取締役会長を務める歌手の近藤真彦氏をはじめ、本企画の音楽プロデュースを担当した中臺孝樹氏や「WWDJAPAN」の村上要編集長ら6人の専門家が担当。最優秀賞には、proluck_film氏の「You Can't Stop Race.」が選ばれた。

最優秀作品について村上編集長は、「レース前の不安から、直前の緊張、最中の危機、それらを乗り越えた上での栄冠や喜びまで、1分弱という時間の中で、参加者のレースに対する思いはもちろん、生き方さえドラマチックに描いた作品です。思わず漏れ出た不安を文字に起こしたり、随所でBGMと映像をシンクロさせたり、細かな工夫で見るものを飽きさせない構成も秀逸な作品だと思います。緊張感と重厚感、疾走感が幾度となく訪れ、レースの醍醐味を想起させます」と評価している。

最優秀賞に輝いたproluck_film氏にインタビューを実施した。

──プロジェクトに参加された理由は?

proluck_film:自分の編集力を試したかったことが一番の理由です。また、トヨタさんが提供する映像や音楽を自由に使える点にも魅力を感じ、応募しました。

──こういったコンテストへの応募経験は?

proluck_film:今回が初めてです。インスタグラムの広告でプロジェクトを知り、面白そうだなと思いました。

──普段はどのような映像制作をされていますか?

proluck_film:本職ではなく、趣味で友人の結婚式のムービーを作ったり、旅行の映像を編集したりする程度です。今回も空き時間を見つけて、約1カ月かけて制作しました。

──タイトル「You Can't Stop Race.」に込めた意味は?

proluck_film:以前、スポーツの持つ力を象徴する映像作品「You Can't Stop Us.」を見たことがありました。 そこでは、コロナ禍でもアスリートたちが立ち止まらず挑戦を続ける姿が描かれており、そのメッセージに強く共感しました。その作品の"You"はコロナのことだと私は捉えました。今回の作品は、“You”の部分をレースを阻害するあらゆる要素に置き換えイメージし、「どんな環境でもレースは止まらない」と いう思いを込めています。

──映像の構成やこだわった点は?

proluck_film:魅力的な映像素材ばかりで、どれを使うか非常に悩みましたが、スーパーフォーミュラを知らない人にも興味を持ってもらえる作品を目指しました。何気なく映像を見た人が「なんの映像だろう?」と思うようにしたかったので、特に最初の10秒はレース映像を使わず、無線音声を使って注意を引き、知らない人でも引き込まれるよう工夫しています。レースの映像はサビの部分まで登場させず、音源のフックに合わせたストーリーの盛り上がりを意識しました。よりかっこいい映像になるよう音源選びにもこだわり、曲の展開に合わせて映像を構成しました。

──インスピレーションを受けたものはありますか?

proluck_film:ミュージックビデオをよく参考にします。音と映像のバランスや表現方法に影響を受けています。今回もミュージックビデオを作る感覚で作りました。

「提供される映像や音楽を自由に使い

楽しみながら制作できた」

──受賞の感想を教えてください。

proluck_film:ほかのクリエイターの作品もクリエイティブで迫力もあり、自分には作れないなと思うものばかりでした。そんな中でプロのクリエイターではない自分が最優秀賞をいただけたことは誇りに思います。本当に楽しみながら作品を制作できました。

──審査員コメントで印象に残ったものは?

proluck_film:中臺さんの「何度もリピートして見たくなる映像だった」というコメントが特にうれしかったです。自分でもそういう映像を目指していたので、評価してもらえてよかったです。

──スーパーフォーミュラの魅力は?

proluck_film:スーパーフォーミュラに関しては、これまでニュースで見るくらいしか知りませんでしたが、今回のプロジェクトをきっかけに興味が湧きました。全車が同じエンジン・車体で競い、ドライバーやチームの戦略が試される点が面白いです。また、オーバーテイクの戦略要素も魅力的だと感じました。

最優秀賞に次ぐ優秀賞にaki okamo氏の「終わりなきFORMULA」が、特別賞に6作品が選出された。受賞作品はレース会場の大型ビジョンで放映される予定だ。

「TOYOTA DIRECTORSCUT」は、トヨタとクリエイターがオープンにつながる共創プラットフォームであり、プロ・アマ問わず多様な才能を持つクリエイターが参加している。 映像制作における新たな才能を発掘する場となっており、多様な視点や表現を持つ作品が生まれる機会となっている。

トヨタは現在、第4弾の企画も準備中であり、今後も多くのクリエイターとの共創を通じて、新たな価値を創造していく。

INTERVIEW & TEXT:YUKI KOIKE
問い合わせ先
SUPER FORMULA DIRECTORSCUT事務局