今季のNYコレクションでは、反トランプのメッセージ、Z世代への共感、ベテランデザイナーの進化など、さまざまな「意思」が表出。他の都市のランウエイではすでに頻出しているデコラティブなエッセンスも見られた。NYらしい上品なリアルクローズをベースにした、華美に走ることのない知的で芯のある“コンシャス・グラマー”なスタイルは、着こなしに新たなインスピレーションを与えてくれる。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月10日号からの抜粋です)
パワードレッシング
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女性観の揺り戻しに抗う
強くしなやかな鎧
トランプ(Donald Trump)大統領の就任からまだ間もない中、ランウエイへの影響を語るのは時期尚早かもしれない。ただ今季のNYコレでは、堂々と立ち振る舞う女性像を、改めて発信しようというデザイナーの意思が感じられたのも事実だ。テーラードジャケットやレザージャケットといった強さを感じさせるアイテムが目立った。シルエットも“リラクシー”“コンフォート”というより、しなやかで構築的。「カルバン・クライン コレクション(CALVIN KLEIN COLLECTION)」や「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」などは、胸元のざっくりとした肌見せ、流れるような素材で、女性らしさをうまく演出した。ボタニカルで可憐なイメージの「ウラ ジョンソン(ULLA JOHNSON)」も、今季はミリタリー要素を取り入れ、緊張感のあるムードを帯びた。
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