「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」と「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」がコレクションを通じて発信するメッセージにはいつもハッと目が覚めたような気持ちになります。とりわけ、パリで現地時間8日に発表した「コム デ ギャルソン」2025-26年秋冬コレクションの“smaller is stronger”には強く共感しました。1981年のパリに“smaller”として突然現れ、“stronger”としての存在感を示してきた川久保玲さんが言うと説得力が違います。このメッセージは、昨今のファッション界やファッション・ウイークを取り巻く状況への警鐘にも思えるし、商業的なビッグプロジェクトを裏方で支える人たちへの賛歌ともとれます。コレクションについては、下記のリポートをご覧ください。
警鐘として捉える場合は、ファッション界では史上まれに見るデザイナー交代劇もその一つですし、ファッション・ウイークでは特に日本のメディアで続くSNS狂騒をイメージする人も多いでしょう。取材する立場としては、本来は対等な関係性であるはずのメゾンとメディアが、ここ1年は芸能界の参入によってややバランスを欠いていると思わざるを得ないやりとりもありました。共にファッションを通じて世の中を活性化させようとする目的は同じだからこそ、互いの仕事を改めてリスペクトする必要性を感じています。
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