総合繊維メーカー・セーレンは、独自のデジタルプロダクションシステム「ビスコテックス(VISCOTECS)」によるパーソナルオーダー事業「ビスコテックス メイク ユア ブランド(VISCOTECS MAKE YOUR BRAND)」を本格的にスタートする。9月16日、赤坂のベクトルスタジオで事業戦略発表会を開いた。同システムは、客が店頭で、大画面高解像度モニターとタブレットを用いてバーチャル試着し、型、柄、色、サイズを47万通りの組み合わせから選び、自分の好きな1着を作ることができるというもの。IT技術と繊維一貫生産機能を融合したシステムで、2005年に旧カネボウの繊維事業を買収するなど、開発のために今日まで約30年の月日と約350億円を費やした大事業だ。多品種、小ロット、短納期、在庫レス、環境配慮を実現している。4月1日、1号店を福井本社1階にオープンし、これまで約600着を販売したという。9月16日、日本橋高島屋と新宿高島屋のエクセラウンジにショップをオープンした。販売アイテムは、ワンピースが中心で、価格は6万5000?8万円。オーダーから納品まで約3週間かかる。
川田達男・セーレン代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)は、「この30年間、山あり谷ありだったが、感無量。今後、ウィメンズウエアが軌道に乗ったら、メンズウエアも手掛けたい。このシステムは、無限の可能性がある。ファッションビジネスの常識が変わると思う」と話した。売り上げ目標は、18年までに20?30億円を見込んでいる。