オンワードホールディングスとラオックスの合弁会社オンワード・ジェイ・ブリッジは2月1日、大丸心斎橋店南館7階に、グローバルストアと位置付ける免税店「オンワード・ジェイ・ブリッジ」の1号店をオープンした。日本の製造技術や洗練されたライフスタイルを反映した衣料品を、中国人を中心とした訪日外国人に売り込む。年内に3〜4店を開く予定だ。
1号店はラオックス心斎橋大丸店の中に出店した。約443平方メートルの売り場の商品構成は「23区」「組曲」「ICB」「五大陸」「J.プレス」「組曲キッズ」などオンワードのブランド商品が5割、「オンワード・ジェイ・ブリッジ」のオリジナル開発商品が3割、今治タオルや京都の和装メーカーなどの仕入れ品が2割。日本家屋をイメージした店舗デザインは、ふすまのような可動式什器や組み木を取り入れた床、陰影のある照明、四季折々の生け花などで日本的美意識を発信する。品ぞろえに関しては「インバウンド(の嗜好)はあまり意識せず、基本的には日本のMDを踏襲する」(大澤道雄オンワード・ジェイ・ブリッジ社長)。サイズなどは中国人を念頭にメリハリを付けるものの、「インバウンドのお客さまが求めているのは日本の一般の店と同じ世界観」(同)と見る。オリジナル商品「オンワード・ジェイ・ブリッジ」は、日本のシーズンMDでは対応できない海外ニーズに応えるべく、ノースリーブのワンピースから厚手のウールコートまでを同時に並べる。メンズはパターンオーダーのブランド「セビロ&コー」も導入。ラオックスの顧客を取り込むために海外配送にも対応する。
オンワード・ジェイ・ブリッジは、オンワードHD51%、ラオックス49%の出資比率で昨年9月に設立。オンワードHDの日本製衣料品を国内免税店や越境ECサイトで販売することを目指す。当面はラオックスの大型店内への出店が中心になるが、空港など他の立地への出店も視野に入れる。今年10月をメドにECサイトをスタートする予定。実店舗とオンラインショップを連動させたオムニチャネル販売にも力を入れ、EC販売比率を高める。今後3年内で10店舗、ECを含めた全社の売上高200億円(小売りベース)を計画する。