フォトアーティスト・ARISAKがファッション&ビューティ業界の多彩なクリエイターと共鳴し、新たなビジュアル表現を追求する連載【ARISAK Labo】。Vol.3となる今回は、2021年にABEMA「ラップスタア誕生!」で脚光を浴び、スターダムへと駆け上がるアーティスト・CYBER RUI(サイバー・ルイ)をフィーチャー。最近ではABEMA「警視庁麻薬取締課 Mogura」で俳優デビューするなど躍進が止まらない彼女と、自身のキーカラーである“青”をテーマに撮り下ろした。
Paint it Blue
CYBER RUIに息づく“青の”DNA
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CYBER RUIといえば、エッジが効いたファッションスタイルとメイクアップ、そしてブルーヘアの印象が強い。彼女がこんなにも“青”にこだわる理由とは。「中学生頃から、気付いたら青のものばかり集めていたんです。優しくて落ち着く色でもあり、尖っている色でもあるというところが自分にフィットしているように感じる。最近気付いたんですが、幼少期の写真を見ても青の服ばっかり着ていて。しかもエンジェルカラーみたいなの調べたら、それも青だったんですよ(笑)。理由はわからないけど、『青に満たされたい』みたいな感じなんだと思います」。
今回の撮影では“Pant it Blue”をテーマに、CYBER RUIが長い間夢見ていた“全身をブルーでペイントする”撮影を実行。顔の中心から少しずつ全身に青が広がっていく様を撮り下ろした。「ずっと全身青で撮影してみたいと思っていて、撮ってもらうなら絶対ARISAKさんだなって。イメージ画像をお互いシェアしたりして、今回のビジュアルへと辿り着きました」。
「あんなに全身を塗ることってこの先もないと思う。もう夢のようで、最初は実感がなさすぎて、自分がどんな気持ちなのかもよくわからないくらいでした(笑)」とCYBER RUI。「エアブラシで徐々に全身が塗られていく、ひんやりした感覚も面白かったです。あとは、普段の撮影ではあまりやらないような表情やポーズもしてみたりして、自分の中にある感覚を表現できた気がしています」。
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これまでの連載を振り返ったARISAKは「個人的には前回の作品から今回の作品では心境的変化としてのつながりが表現できたと思っています。フゥジ君と作り上げた愛憎的で赤が際立つVol.2のビジュアル、そこから雨が降ったように静まったような心情を、今回ルイちゃんと青で作ることができました。彼女の中にあるブルーのDNAを映し出せたと思います」と締めくくった。
CREDIT
LOOK1:TOPS & SKIRT / GYOEM, CAP / GNASTY
LOOK2:TOPS / GNASTY, HEAD PIECE / JINKI NAOMATSU, OTHERS / MODEL OWN
LOOK3:TOPS / GYOEM , OTHERS / MODEL OWN
Inside stories of
CYBER RUI × ARISAK
PROFILE: サイバールイ(CYEBR RUI)/ラッパー

出会いのきっかけはラッパー・OZworld
撮影を終えて、ARISAKとサイバールイ、2人の出会いのきっかけについて尋ねた。「これまでに何度か、ラッパーのOZworld(オズワルド)君のビジュアルを撮影したことがあるのですが、たまたまルイちゃんがそのビジュアルについて『こういう世界観を作ってみたい』って言ってくれている動画を見つけたんです。うれしくて私からDMを送り、その後彼女がライブをするときに誘ってくれて直接会うことになりました」とARISAK。サイバールイも「これまでも思い描くビジュアルはたくさんあっても、なかなかしっくり来る写真家さんに出会える機会がなく。そんな時にDMをもらえたので、これは何か面白いことができそうだと思って」と振り返った。
その後、アルバムのジャケットや雑誌で何度か撮影を共にし、更に意気投合したという2人。ARISAKは「私はフィギュアスケート、ルイちゃんはバレエっていう、近しい世界にいたこともあり、お互いの根底にある感覚が似ていたのかもしません。バレエからラップの世界に行くっていうギャップも素敵だなって思うし、撮影中のポージングにもどこかエレガントさが滲み出たりするのも好きです」と彼女の魅力を語る。
バレエからラップの道へ
サイバールイの次なる挑戦
3歳からバレエに邁進していたというCYBER RUI。なぜ音楽の道に進んだのか。「14歳くらいの時、身の回りで色々なことが起きて、自分の中のバランスが崩れてしまって。バレエもその時に辞めてしまい、息苦しさを感じていた時に癒しになったのが音楽でした。家や地元に居場所を感じられなかった同士の友達とたむろしたり、カラオケに行ったりする中で音楽に興味を持ち始めて、最初はギターを買って弾き語りをしていたこともあります」。
今やアーティストとして活躍しながらも、トラック作りやミュージックビデオの制作までも手掛けている彼女。ABEMA「警視庁麻薬取締課 Mogura」ではラッパー集団“9門”のメンバー・Haruを演じ、俳優デビューを飾った。初の演技の仕事について「めちゃめちゃ楽しかった。緊張したし、セリフはもちろんあるけど、自分らしくいないと違和感が出るだろうと思ってなるべく普段通りの自分らしくいることを心掛けました。過去の映像を使ってくれたのもうれしかったです。演技の中で自分と向き合うことができて、今の自分をもっと許せるようになったと思う」と自身の変化を語る。
俳優業を通じて更にパワーアップした彼女の今後の目標は「全部セルフプロデュースでやること」。「最近、本当に時代が変わる時が来ているんじゃないかって考えたりするんです。そんな中で人間として生きる意味をずっと提示していきたいーーどんな形でも自分を表現することをやめたくない。今もトラックやミュージックビデオを自分で作ることはあるけど、いつか全てにおいて自分でプロデュースしてみたいですね」。

MODEL:CYBER RUI
HAIR & MAKEUP:MARI ENDA
STYLING:JINKI
LOGO DESIGN:HIROKIHISAJIMA
SPECIAL THANKS:TIGHT, YUVIE