ファッション
特集 東コレ2025-26年秋冬

下町ギャンブラーの夢に思いをはせて 「ノントーキョー」ガールズのカオスなレジャーウエア

INDEX
  • ギャンブラーのスタイルに魅せられて
  • ステレオタイプを新たに再構築する

市毛綾乃デザイナーによる「ノントーキョー(NON TOKYO)」が18日、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」で3年ぶりのショーを開催し、2025-26年秋冬コレクションを発表した。市毛デザイナーは02年に中川瞬ディレクターと「バナルシックビザール(BANAL CHIC BIZARRE)」を立ち上げ、出産を機に12年に退任。その後14年春夏にリードデザイナーとして「ノントーキョー」をスタートした。コンセプトは、“ロマンチックレジャー”とも表現する“DRESS UP LEISURE”。2ウエイや防水・はっ水加工といった機能性を特徴とした独自の“ロマンチックギア”を提案する。3年ぶりのショー開催となった今シーズンも、東京らしい“ストリート&ガーリー”のスタイルで存在感を示した。

ギャンブラーのスタイルに魅せられて

今季の着想源は、“下町のギャンブラーの生き様”だ。競馬新聞とえんぴつを手に、競技場に集う人々の“カオスなファッション”から共通点を見いだした。月桂冠ロゴのキャップにフィッシングベスト、スラックスそしてウエストポーチ――それぞれ違う目的のために生まれたアイテムが一つのスタイルを作り、その人々が密集するカオスな様が、昨今のY2Kファッションの潮流に通ずるものがあったという。競馬場からインスピレーションを得たというアイデアには首をかしげたが、夢を持ったギャンブラーたちの姿にいつしか引き込まれていた市毛デザイナーのコレクションにも、彼女の夢が詰まっていることが分かる。

ステレオタイプを新たに再構築する

ギャンブラーのファッションアイテムは次々と「ノントーキョー」のポップでガーリーな世界へと入り込んでいく。裾にフリルをあしらった防水素材のフィッシングベストやラッフルと合わせたロング丈のアノラック、キーホルダーをじゃらじゃらつけたウエストポーチ、“勝負服”と呼ばれる騎手のユニホームにヒントを得たようなカラフルなジャケットなどがラインアップする。スタイリングのカギはウエストマークだ。ポーチやフリルベルト、アスレチックコードなどのアクセサリーを使い、シルエットを整える。

デザインさまざまなベストに加えて、花柄プリントのレーススカートに合わせた短丈のスエットパーカやアクセントカラーと着回すシンプルなフリースプルオーバーといったライトアウターは、この秋冬の注目アイテムになりそうだ。

今回もイージーケアの素材などを多用する中で、カラーファーの襟をつけたドカジャンやチノで仕立てたスーツなど、秋冬らしい素材でクラシックな雰囲気もプラス。シューズは、ギャンブラーが愛用するという「ダンロップ(DUNLOP)」のスニーカーをショーピース用にパンプスにカスタムし、夢追い人たちにオマージュを捧げた。最後にデザイナー2人に夢を聞くと、「自分たちのコレクションでカルチャーを作ること。ひさしぶりのショーはその一環として、今後の発表につなげていきたい」と話した。

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