グランプリ・準グランプリは、SAKURA「コクーン(Cocoon)」ディレクター、エザキヨシタカ「グリコ(grico)」代表、一番合戦彩「アンガーデン(Uné GARDEN)」代表、村上要「WWDJAPAN」編集長の4人が審査。また、ヘア&メイクアップアーティストの夢月さんの協力を得て、“夢月賞”を設けました。
コンセプトは「ビューティー×ファッション」
「WWDBEAUTY ヘアデザイナーズコンテスト」のコンセプトは“ビューティ×ファッション”。「WWDJAPAN」や「WWDJAPAN.com」のミッションの1つである「ファッション業界とビューティ業界の垣根を取り払う」ことを目的とした取り組みでもあります。そのため、審査員にファッション関係者やヘアメイクアーティストなどを迎え、両業界を“クロス”させることを試みました。
グランプリ
GRAND PRIX
須藤小百合
資生堂ヘア&メイクアップアーティスト

所属する資生堂ヘアメイクアップアーティストの先輩も第1回から歴代参加しているコンテストで、私は今回初めての挑戦だったがグランプリというすてきな賞をいただくことができ、驚きと素直にうれしさがある。応募した作品は「ドリームコア」をテーマとして、ドリームコアを思わせるくすんだピンクやペールトーンに近い水色、紫色を一部分だけカラーし、ウエーブとストレートヘアを混ぜて不思議な世界観を演出した。全体的に淡くくすんだヘアメイクにはっきり写さないライティングで撮影したため、目頭に入れた偏向ラメがキラッと光ってポイントになることを目指した。
審査員のコメント
髪のカラーが服とマッチしていてファンシーな空気感が創出され、まさに“ドリームコア”。ストレートとカーリーな部分があるヘアや、頭がタイトで服がふわっとしている衣装など、1つ1つが主張し過ぎずに画角の中で調和しているバランスが素晴らしい。ヘアコンテストの作品ではあまり見られないカラーリングで、一部分だけ光が入るヘアも引きのヘアカラーの見せ方も新しさを感じる。(エザキヨシタカ「grico」代表)
グランプリ受賞特典

グランプリ受賞者(1人)には、賞品として、「エスコンフィールドHOKKAIDOホテル 北広島駅前」の宿泊チケットが授与されるほか、「WWDBEAUTY」プロデュースのもと、「WWDBEAUTY」2025年3月24日号のカバーモデルのヘア&メイクを担当してもらいました。
準グランプリ
SECOND PRIZE
海老原満明
「ヌフ(NEUF)」代表

普段から、“服が見えていなくてもファッションを感じさせる作品”を作ることは意識して撮影をしているので、今回の受賞はとてもうれしい。受賞作品でこだわったポイントは、柔らかくて優しいムードの中に、重力に逆らう髪の動きや表情。凛とした色気のある女性像をイメージした。
審査員のコメント
少し古い映画のワンシーンのような雰囲気がこちら側の想像を掻き立てる作品だと思った。この1枚に収まった雰囲気が本当にかわいい。雰囲気のある顔立ちのモデルにパンクな印象のヘアやメイクというバランスに完成度の高さを感じる。カラー写真だと印象が変わりそうで、モノクロを選択したのも引き算のうまさを感じた。(SAKURA「Cocoon」ディレクター)
里見愛
ヘア&メイクアップアーティスト兼着付師

クリエイションの撮影を始めて、初めてノミネートされたのも「WWDBEAUTY ヘアデザイナーズコンテスト」だった。そのため、私にとってこのコンテストはとても特別だったので本当にうれしい。受賞作品は、彩度を抑えたトーンを基軸にした作品で、どこか日本っぽさを感じられるヘア&メイクを目指した。“違和感はあるけれど似合っている”メイクで女性像を落とし込み、作品にした。
審査員のコメント
バングに見られる創作ヘアは、作り込み過ぎてもボリューミーになってしまうが、この作品はバランスが取れていてきれいにまとまっている。アレンジで和を表現しようとすると、和に寄り過ぎてしまうところがあるが、それを衣装やメイクで崩していて、全体的にとても雰囲気のある作品に仕上がっている。丸い光が差し込む写真の撮り方も、面白くてかわいいと思った。(一番合戦彩「Uné GARDEN」代表)
メイクアップアーティスト部門
MUTSUKI
PRIZE
mame
ヘア&メイクアップアーティスト

自分の中で今年は“挑戦”という目標を立てており、その中でコンテストに応募するのも目標の1つであった。ヘア&メイクアップアーティストとして夢月さんのメイクが好きでリスペクトしていたので、この賞をいただけて本当にうれしい。受賞作品は、2024-25年秋冬シーズンの「ディオール(DIOR)」のコレクションからインスピレーションを得て、“おとぎ話”の世界観を落とし込んだ作品。羽をまとったような空気感を意識した。
審査員のコメント
緻密に計算された立体感と質感が調和し、幻想的でありながらも、存在感がリアルな作品。特に、質感の表現には卓越したセンスを感じた。ヘアとメイクの両方をマットに仕上げながらも単調になることなく、柔らかさとシャープさのコントラストで、造形的な奥行きのある立体感が生み出されている。触れられそうなリアリティと幻想的な世界観が共存しており、美しく完成度の高い作品だと思った。(夢月/ヘア&メイクアップアーティスト)
一般投票部門
POPULAR VOTE
DEPARTMENT
加納稚菜
「ラ ブーケ(La Bouquet)」副社長

昨年5月、初めてクリエイションの作品撮りをしたときは、右も左も分からず本当に悔しい思いをした。それからの1年、努力と学びを続けることで、このような賞をいただけて本当にうれしい。受賞作品でこだわったポイントは「セーラームーン」をテーマに、無邪気さと強さを表現したこと。シンメトリーで、もみあげから垂直に上がるラインでタフさとクラシカルさを表現し、世界観に落とし込んだ。