ファッション
特集 東コレ2025-26年秋冬

「ポール・スミス」が東京でランウエイショー “らしい”生き方さえ滲み出ることを期待

ポール・スミス(PAUL SMITH)」は、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」タイトルスポンサーの楽天グループによる支援プログラム「バイアール(by R)」として、2025-26年秋冬コレクションを発表した。

1月にパリで発表したコレクションをベースとして、「アート・オブ・イメージ・メイキング(イメージ創作に芸術)」をテーマとした。1950年代のニューヨークでファッション・フォトグラファーとして活躍し、後年には「カラー写真のパイオニア」と讃えられた写真家ソール・ライター(Saul Leiter)のカラー写真のように、深いトーンから着想を得たリッチなカラーパレットのブリティッシュトラッドを、同じく20世紀を代表する写真家のように少し着崩したスタイルを打ち出した。

「ポール・スミス」らしいカラフルボーダーのニットは、ところどころにケーブルニットを差し込み、イエローのシャツとコーディネート。同じ色のネクタイは少しだけ外し、自然体のムードを表現した。ウィメンズでは、同じニットをコーデュロイのセットアップと合わせた。端正なピークドラペルを、遊んだ素材で楽しんでいる。ピンストライプのウールフランネルでカーゴパンツを作ったり、ガンクラブチェックでブルゾンを提案したりと単品で遊ぶこともあれば、チェスターコートにカーゴパンツや、ジャケットにハンティングジャケットのレイヤードなどスタイリングで遊ぶルックも。英国同士のブランドとして、「バブアー(BARBOUR)」とのコラボアイテムも登場した。

細部で遊び心を表現したアイテムや、自由奔放なスタイリングは、「ポール・スミス」らしい。ただ「ルメール(LEMAIRE)」や「オーラリー(AURALEE)」など、生き方やパーソナリティーさえ滲み出る洋服やスタイルのブランドが次々現れていることを考えると、もう少し“何か”があっても良いのかもしれない。それは、もう少しコンテンポラリーなシルエットかもしれないし、もう少し大胆なスタイリングかもしれない。「機能素材で作るアノラックなどのモダンなアイテムを、過去の写真家ならどう着こなすのか?」などの想像が広がったら、さらにコレクションは面白味を増すだろう。ご本人がチャーミングなだけに、他に比べてパーソナリティーが控えめなように思えてしまう。

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