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特集 パリ・コレクション2025-26年秋冬

不穏な時代にデザイナーが放つ多様なメッセージ 強さを示す「エルメス」から優しく包む「サカイ」まで

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  • 強さ
  • 「ディオール(DIOR)」
  • 「エルメス(HERMES)」

不穏な時代にデザイナーが放つ多様なメッセージ 強さを示す「エルメス」から優しく包む「サカイ」まで

デザイナーたちは常々、移り変わる社会や時代に目を向け、その空気を感じ、クリエイションに取り組んでいる。だからこそ、ファッションショーは観るものの心を動かすのだろう。終わらぬ戦争に政治的混乱、治安悪化、排外主義の高まりなど不穏で混沌としたこの時代に、デザイナーたちは何を表現したのか?強い女性像や安らぎを求める気持ちをはじめ、今季のコレクションに込めたメッセージや思いを読み解く。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月24日号からの抜粋です)

強さ

今シーズン目立ったのは、今の時代に立ち向かうために必要な強さ。それはオールブラックのスタイルやハードなレザーウエア、マスキュリンなテーラリングやミリタリーユニホームなどを通して表現されている。

ディオール(DIOR)

たくましさと繊細さの共存

着想源は、男性から女性に不思議な変身を遂げた詩人を描いたヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)の小説「オーランドー(Orlando)」。マスキュリンなたくましさとフェミニンな繊細さが共存するスタイルを提案した。キーアイテムは、着脱可能なフリル襟をあしらった白シャツ。ビスチェパーツ付きのテーラリングや細身のハーフショーツとの着こなしが今季を象徴する。ロマンチックなレースも、バイカージャケットやミリタリーアウターと合わせて対比を際立たせた。

エルメス(HERMES)

振り返らず前進する芯のある女性

土の上をブーツで力強く闊歩するモデルが体現するのは、振り返らず前進する芯のある女性像。今季は黒やチャコール、深い茶色などダークトーンをベースに、レザーやフェルトを用いたアウターやボトムスをそろえる。合わせるのはタートルネックセーターで、首や腰に自由に巻きつけた着こなしも多出。メンズウエアや乗馬の世界を感じるデザインに、ミニ丈のボトムスや背中のホール、ファスナーの開閉による肌見せでフェミニニティーを加えた。

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