香水大手インターパルファム(INTERPARFUMS)のヨーロッパを拠点とする子会社インターパルファムSA(INTERPARFUMS SA)はこのほど、仏フレグランスブランド「グタール(GOUTAL)」の知的財産権を韓国最大手ビューティ企業アモーレパシフィック(AMOREPACIFIC)から取得した。取得額は非公開。
2018年の全面刷新前は「アニック グタール(ANNICK GOUTAL)」という名で知られた同ブランドの運営は、アモーレパシフィックの子会社アモーレパシフィック・ヨーロッパ(AMOREPACIFIC EUROPE)がライセンス契約の下で一定期間継続する。インターパルファムSAは26年以降、同社とともにブランドを発展させていく予定。フィリップ・ベナカン(Philippe Benacin)=インターパルファムSA会長兼最高経営責任者(CEO)は、「『グタール』の買収は、ハイエンドフレグランスを含む製品ラインアップの拡大という当社の戦略を反映したもの」と説明する。現在の小売網や売上高の詳細は明らかにせず、「『グタール』の香水の年間売上高が過去には1000〜1200万ユーロ(約16〜19億円)に達していた」とだけ述べた。
「グタール」とは
「アニック グタール」は、1981年にパリで誕生。“オーダドリアン”や“プチシェリー”などの香りでヒットし、パリのベルシャス通りに店舗を構えるなど、ニッチフレグランスのカテゴリーで地位を確立した。元ピアニストでモデルのアニック・グタール(Annick Goutal)創業者は、99年にがんで死去。アモーレパシフィックは2011年に投資会社スターウッド・キャピタル(STARWOOD CAPITAL)から同ブランドを買収した。母親が設立した会社のレガシーを継承するため、娘のカミーユ・グタール(Camille Goutal)は今後も運営に関わり続ける。
インターパルファムSAの24年度の業績
インターパルファムSAの24年度の通期売上高は前期比10%増の8億8000万ユーロ(約1425円)、純利益は同10%増の1億2900万ユーロ(約208円)だった。「コーチ(COACH)」「ブシュロン(BOUCHERON)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」「カール・ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)」「ラコステ(LACOSTE)」「ランバン(LANVIN)」「モンクレール(MONCLER)」「モンブラン(MONTBLANC)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」を含むフレグランスライセンスのほか、「ロシャス(ROCHAS)」ブランドなどを所有している。
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