エイネットは、新ブランド「タクタク(TAC:TAC)」を2014-15年秋冬からスタートする。同社にとって新たなデザイナーズブランドは、2006年に導入した「メルシーボークー、」以来、8年ぶりとなる。11月22日から30日まで東京・高円寺のダンススクール跡地に開くポップアップストアで披露する。
同ブランドは、デザイナーの島瀬敬章が、パタンナーの島村幸大太と2013年に立ち上げたブランド。今年6月に、フリーランスからエイネットに活動の場所を移す。島瀬と島村は同社入社し、2014-15年秋冬から本格的な展開をスタートした。
象徴的なアイテムはシンプルなTシャツ。畳んだ後にプリントを施したTシャツは広げると柄が裾や背中にバラけるため、どんなにアクが強いモチーフでも着ると何の柄かわからない。「"ひょっとした"発見をする楽しみや喜び。ひとりひとりの特別な気分。その中にある新しい共感性、共有性」というブランドコンセプトを反映している。
Tシャツとハンパ丈のパンツにひざ上丈の"ショップコート"など、アイテムはいずれもシンプルで、細部のパターンにこだわり、さりげなく個性を主張する。洗いをかけた天然素材使いが多いことから古着のようなムードもある。ルックブックにはメンズのモデルを起用しているが、男女で着られるデザインを提案する。
同ブランドをスタートする理由について、エイネットの大滝雄一郎副社長は、「シンプルだけど力強い世界観を持っている。次の時代のファッションビジネスの在り方をともに模索できる人材だと思った」と言う。一方、島瀬デザイナーは、「ある程度よいモノであれば世の中に驚くほど存在する。同時に、衣食住の"衣"だけが切り離されているような感覚を覚えている。その中にあっても自分は服が好き。服を通じて何を、どう伝えられかをとことん考えた。"時間"や"共有"をキーワードに感情にアプローチできる服、シンボリックに自分を語れる服を作りたい。新しい服の売り方含めて提案をしたい」と話している。
ファーストコレクションは30型で、価格はTシャツ6000 円〜、シャツ1万5000円〜、パンツ2万3000円〜、コート2万円台後半〜。
21日からのポップアップストアの会場は、高円寺駅から徒歩2分の築50年の秋野ダンススクール跡地で、プレゼンテーション兼ポップストアとして一般客にも販売する。続いて12月4日からは「カバン ド ズッカ」青山店にポップアップストアをオープンする。