名古屋鉄道(名鉄)は24日、名古屋駅の再開発計画の概要を発表した。再開発地区で営業する傘下の名鉄百貨店の本店は、2026年2月28日に営業を終了する。再開発後に建つ複合施設には2040年代前半に商業施設が開業するが、百貨店業態になる公算は薄いと見られる。
再開発地区は名鉄百貨店、近鉄パッセ、名鉄グランドホテル、名鉄バスターミナル、ヤマダ電機などが現在営業するエリア。順次、営業を終了し、26年から建物の解体を進める。
名鉄は敷地面積約3万7000平方メートルに約5400億円を投じて、延べ床面積52万平方メートルに商業、オフィス、ホテルなどが入居する複合施設を建設する。駅のプラットホームも移設する。33年度に1期本工事が竣工、40年代前半に2期本工事がそれぞれ竣工する予定だ。
リニア中央新幹線の開業を見据えて、オフィスや観光客の需要を見込む。駅の改造にも取り掛かり、中部国際空港に向かう「空港アクセスホーム」を設置して、輸送量の拡大を見込む。
名鉄百貨店の本店は1954年に開業した。本館とメンズ館を合わせて売り場面積は約5万5000平方メートル。2023年度の売上高は352億円だった。24年1月に一宮店を閉めており、営業する名鉄百貨店は本店だけになっていた。外商部門など一部機能は別会社に移管する見通しだ。