「ミュグレー(MUGLER)」は3月25日、新たなクリエイティブ・ディレクターとして、ポルトガル出身のデザイナー、ミゲル・カストロ・フレータス(Miguel Castro Freitas)を任命した。4月1日付で就任し、今秋のパリ・ファッション・ウイークで2026年春夏コレクションを披露する。
なお、17年12月から同ブランドを率いていたケーシー・カドウォールダー(Casey Cadwallader)前アーティスティック・ディレクターについては、今春にもブランドを離れるのではないかという情報筋の話が今年2月に報じられていた。
ダニエル・ラハナ・アイデンバウム(Daniele Lahana-Aidenbaum)=ミュグレー ファッション&フレグランス部門グローバル・ブランド・プレジデントは、「ミゲルは、『ミュグレー』のスピリットやDNAを深く理解している。また、その幅広い才能とクリエイティビティーを考えると、今回の任命は自然な選択だった」と語った。
フレータス新クリエイティブ・ディレクターについて
フレータス新クリエイティブ・ディレクターは、04年にロンドンの名門校セント・マーチン美術大学(Central Saint Martins)を卒業。「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ランバン(LANVIN)」などでキャリアを積み、最近は「スポーツマックス(SPORTMAX)」や「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」、「ディオール(DIOR)」のオートクチュール部門でシニア・デザイナーなどを務めていた。
カドウォールダー前アーティスティック・ディレクターについて
カドウォールダー前アーティスティック・ディレクターは、米国出身の45歳。米名門コーネル大学(Cornell University)で建築を学んだ後、「ナルシソ ロドリゲス(NARCISO RODRIGUEZ)」や「J. メンデル(J.MENDEL)」「ロエベ(LOEWE)」「セイ(TSE)」などでキャリアを積んだ。その後、「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」に加わり、ウィメンズのプレ・コレクションのヘッド・デザイナーを務めた。2017年12月に「ミュグレー」に加わり、およそ7年にわたってブランドを率いた。
「ミュグレー」について
「ミュグレー」は、1974年にデザイナーのマンフレッド・ティエリー・ミュグレー(Manfred Thierry Mugler)が「ティエリー・ミュグレー(THIERRY MUGLER)」として創業。肩パッドを入れたワイドなショルダーとウェストを絞った逆三角形のシルエットで、80年代から90年代にかけて世界的な人気を博した。90年には、クラランス グループ(GROUPE CLARINS以下、クラランス)と協業してフレグランス事業に進出。97年に、クラランスの傘下となった。同社は2002年に同ブランドのウエア事業を終了し、これに伴ってミュグレー創業デザイナーはファッション業界から引退。10年には、ブランド名が「ミュグレー」に改称された。19年、クラランスは同ブランドをロレアル(L’OREAL)に売却。22年1月、ミュグレー創業デザイナーが73歳で死去した。カドウォールダー前アーティスティック・ディレクターが就任する以前には、ニコラ・フォルミケッティ(Nicola Formichetti)やデヴィッド・コーマ(David Koma)がブランドのクリエイティブ面を率いていた。