アダストリアの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」は、東京・銀座に「グローバルワーク ギンザ」を3月27日にオープンする。ブランド初の超都心型店舗であり、「グローバル旗艦店」との位置付け。売れ筋商品にフォーカスしたVMDや多言語対応のデジタルサイネージにより、銀座を行き交うインバウンドに照準を定める。初年度の売り上げ目標10億円のうち、訪日客比率は5割を見込む。「グローバルワーク」はブランド単体で「売上高1000億円」を見据えており、同店を海外本格進出の布石とする考えだ。
店舗はマロニエゲート銀座3の地下1階〜地上2階の3フロア構成で、面積は計1100平方メートル。ウィメンズ、メンズ、キッズ商品をフルラインアップで展開する。特に1階ではブランドの顔ともいえる主力商品を、日本文化を意識した限定アイテムや演出とともに展開し、インバウンドへのターゲティングを明確化した。累計450万本を販売している“ウツクシルエットパンツ”(4990円〜)や高機能×イージーケアの“オテラク”シリーズ(5490円〜)、“何度着てもよれない”が謳い文句のTシャツ“ヘビロッTEE”(1980円〜)などの売れ筋商品を、デジタルPOPやトルソーを活用し、高い視認性で展開。デジタルPOPは多言語対応する。不定期で商品が入れ替わるアパレル・雑貨の自動販売機やフォトブースなど、フリー客を楽しませるコンテンツも導入した。
海外売上高を4倍に
関西でも旗艦店構想
銀座では「ユニクロ」「無印良品」といったグローバルSPAが大型店を構え、「グローバルワーク」にとっては強大なライバルとなる。彼らとどう差別化し、存在感を発揮していくのか。グローバルワーク営業本部長の太田訓・アダストリア執行役員は、「われわれの強みは、程よいファッション性と機能性を兼ね備えた、気分が上がるプロダクト。ファッション、ファンクション、フィーリングの3つの頭文字をとって、“3F”と呼んでいる。袖を通していただければ、きっと伝わるはず」と話す。一方で「現時点では、そういった(グローバルSPAの)ブランドとはまだ肩を並べるレベルにないことは自覚している」とも。「まずは、ブランドを知らない外国人のお客さまに『グローバルワーク』というブランドを覚えて帰っていただきたい」。
「グローバルワーク」は24年2月期に売上高500億円を突破。30年2月期にはこれを1000億円に引き上げる計画を掲げる。重点施策となるのが海外展開だ。現状は台湾、香港、上海に計20店舗を展開し、24年2月期の売上高は25億円だが、これを4倍の100億円に引き上げる。今後はASEANエリアへの出店に力を入れ、具体的にはタイ、マレーシア、フィリピンを有望な市場と見ている。銀座店を、海外本格展開を見据えたグローバル認知拡大の拠点とする。
期中の国内出店については「銀座店とは別に、少なくとも14店舗」を計画。銀座店を皮切りに、都心部やターミナル立地の出店も強化していく方針。またこの14店舗の中には含まれないものの、将来的には関西エリアにおいても銀座に続くグローバル旗艦店を出店する構想があるという。