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銀座松坂屋の閉店で約7万人が別れを惜しむ、3ヵ月間の閉店セールで前期の年商の7割以上稼ぐ

 松坂屋銀座店が30日、銀座6丁目再開発に伴うビルの建て替えによって、88年の歴史に幕をいったん降ろした。この日は、別れを惜しむ60〜70代のシニア世代や閉店セール目当ての家族客が殺到して最後の買い物を楽しんだ。特に1階の宝飾品・服飾雑貨、2〜3階の婦人服、5階の紳士服は大勢の客でごった返した。店の前では記念撮影をしたり、馴染みの販売員と思い出話に花を咲かせたりする人たちの姿も見られた。20時の閉店時には正面入り口前でセレモニーが行われ、菊谷英司・店長ら13人のスタッフが登場。菊谷店長は「今日を終了の日ではなく、次の夢のプランに向けたスタートの日にしたい」と挨拶し、巨大クラッカーを打ち上げるパフォーマンスで、銀座6丁目再開発の門出を祝った。最終日は、入店者数7万人、売上高5億円に到達したもようだ。

 

 同店では、百貨店の閉店時としては異例の長さとなる3ヵ月間の閉店セールを実施した。2〜3週間単位で期間限定店を入れ替えるなど消費者を飽きさせない工夫のほか、美術品や宝飾品の品揃えを拡充するなど株高に沸く富裕層にも訴えるセールを展開。売上高は4月が前年同月比2.7倍の23億円、5月が同2.4倍の20億円を達成し、6月は同5倍の32億円の見通し。閉店セール期間の3ヵ月間での売上高約75億円は、2013年2月期の同店の年商(102億円)の7割を超える額である。

 

 銀座6丁再開発は、同店を中心に隣接したビルを含めた街区約1.4haを整備するもの。再開発後は、地上13階・地下6階で延床面積14万7600�uの大規模な複合ビル1棟になる。そのうち地下2階から地上6階の約5万�uに商業施設が入り、2017年に開業する予定。だが、開発主体の1社である大丸松坂屋百貨店の親会社J.フロントリテイリングでは、新しい商業施設に松坂屋が入るかどうかを明言していない。今日の会見で菊谷店長は、まだ準備段階としながらも「大丸松坂屋百貨店が中心となって開発するので、百貨店の良い部分を入れながら、さらに新しいものを加えていく」と話した。松坂屋銀座店と同じ建物に入る「ティファニー」と隣接するビルに入る「プラダ」も本日で閉店した。

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