今、パリで高い支持を集める2つのブランドがある。それは、ウエアやアクセサリーからインテリアまでを提案する「セザンヌ(SEZANE)」と、レザーバッグを中心とした「ポレーヌ(POLENE)」だ。どちらも街で見かけない日はないほど広く浸透しており、その人気は世界的に拡大している。両者に共通するのは、ラグジュアリーブランドと比べて手の届きやすい価格帯でありながら、商品のデザインや品質にも世界観の表現にも徹底的にこだわる姿勢。それぞれの創設者に成功の秘訣や信念から今後の展望までを聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月31日号からの抜粋です)
「セザンヌ」について
「セザンヌ」は2013年、上質なワードローブを届けることをモットーに、モルガン・セザロリー(Morgane Sezalory)創業者が立ち上げた。現在はウィメンズウエアやバッグ、シューズ、アクセサリーに加え、メンズの「オクトーブル・エディションズ(OCTOBRE EDITIONS)」、インテリアの「レ・コンポザン(LES COMPOSANTS)」、キッズの「プチ・セザンヌ(PETIT SEZANE)」も展開。パリを中心に欧米に17の常設店舗を構えるほか、さまざまな都市にポップアップストアも開いている。24年7月には、日本語の公式ECもオープンした。
“実直であるとともに日々改良を重ねることが大切”
PROFILE: モルガン・セザロリー/「セザンヌ」創業者

WWD:あらためて「セザンヌ」を立ち上げたきっかけやコンセプトは?
モルガン・セザロリー「セザンヌ」創業者(以下、セザロリー):もともとのきっかけは、ビンテージのユニークさやクオリティーに引かれ、一点モノの販売を始めたこと。ただ、次第に買いたい人が増えすぎてニーズに応えられないことに不満を感じるようになり、ビンテージから学んだことを生かして自分でデザインした服を提案しようと考えたの。ただ、服作りは全て独学。幼いころから触れてきた美しいビンテージピースを通して、素材やカットから構造まで服に関するあらゆることを習得したわ。年々ラグジュアリー以外で上質なビンテージを手に入れることが難しくなる中、「セザンヌ」が実践するのは高品質でありながら、アフォーダブルな価格であること。今はインターネットのおかげで、メディアに広告を出したり、卸を行ったりする必要はなくなり、その分を商品に投資できる。でも、この品質と価格の両立を実現できているブランドは、ほかにないと思う。
WWD:「パリジェンヌ」という言葉は、「セザンヌ」を語る上で欠かせない。世界的に浸透している表現ではあるが、パリジェンヌのスタイルをどのように定義するか?
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