2025-26年秋冬の「楽天 ファッション ウィーク東京」では、デザイナーらはブランド設立当初の世界観を大きく前進させた。これまでのようにパーソナルな視点でのモノ作りが際立ちつつ、“エレガンス”を成熟させて幅広い層に刺さるムードを生み出した。同時に、よりリアルクローズを意識した提案も目立ち、今季は東京の今後のさらなる飛躍に向けた“ターニングポイント”になりそうだ。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月31日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
東京は、“エレガンス”が持ち味のブランドが多い。エレガンスとは直訳すると“気品”ではあるものの、その解釈はさまざまだ。シンプルできれいな服の表現として用いることもあれば、デザイナーの根底にある凛とした美学を表す言葉でもある。今シーズンの東京は、エレガンスを独自に解釈し、それぞれに発展させたデザイナーたちが台頭した。
世界を見据え、磨き上げた個性
「ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」は、今季を象徴する成熟したエレガンスを見せたブランドの一つだ。女性のリアルを見つめ直し、緊張感を解いた姿をそのまま落とし込んだようなルックで、日常の美を表現した。これまで吉田圭佑デザイナーは、未熟な少年が成熟した女性に抱く憧れを具現化させてきた。今季は柔らかでカジュアルな素材を用いて、パイル地のガウンやジーンズ、ドロップショルダーのジャケットをエレガントに仕立てた。「街で見る装いもエレガントに見せたい」と話した吉田デザイナーの思いは、多くのファンに届くリアルクローズとなりそうだ。
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