今のアイウエア業界の市場規模は、約4000億円で下げ止まり感が出てきた。その中で、2012 年の業界を盛り上げた主役はファッション界のファストファッション同様、SPA 型デフレ業態の「リアル・グラッシーズ」だ。特に、「眼鏡市場」(メガネトップ)、「ジンズ」(ジェイ アイ エヌ)、「ゾフ」(インターメスティック)の3 大勢力は、大きく業績を伸ばした。それも、今年はブランド力やデザインではなく、超軽量や目の健康に配慮した機能性メガネが大ヒットした。2012 年のアイウエア業界を3回に分けて振り返る。
80万本以上を売り上げた「ジンズPC」
2012年一番ヒットした商品が、ジェイ アイ エヌが手掛ける「ジンズPC」だ。パソコンやスマートフォンなどのディスプレーが発するブルーライトを約50%カットする機能性メガネ。2011年9月の発売から約1年で、累計80万本以上を売り上げた。12年のヒット商品として数多くのメディアで取り上げられ、アイウエア業界では、これまで例がないほどの脚光を浴びた。業績も絶好調で、12年8月期決算の売上高は226億1300万円で前年比55.2%増、営業利益は26億3300万円で同143.1%増と高伸。店舗数は前期末比44店舗増の国内160店舗となった。田中仁ジェイ アイ エヌ社長は、「我が社は、新しい機能性アイウエア市場を創出した。私は、とても大きな夢を持っている。『ジンズがメガネの歴史を変えた』と言われたい」と話した。
さらに、13年8月期の売上高は294億円、同30%増と強気の予想だ。そして、20年に年商1000億円、市場規模1兆円という壮大な目標を持っている。メガネトップや三城のビジネス規模にはまだ及ばないものの、来年も一番の成長株となるに違いない。