米サンフランシスコ発のフットウエアブランドで、日本では2024年6月からゴールドウインが独占販売する「オールバーズ(ALLBIRDS)」は、「世界初」というネット・ゼロカーボン・シューズの“ムーンショットゼロ(M0.0NSHOT Zero)”(3万5200円)を開発した。日本では4月5日に、同ブランドの東京・丸の内店限定で発売する。
“ムーンショットゼロ”は、素材選定、製造、輸送、廃棄までの製品の一連の流れにおいて、二酸化炭素換算排出量ゼロを達成した。ニットアッパーには、農場全体の二酸化炭素排出量に対し、同吸収量が2倍という再生型農場に由来するメリノウールを使用。カーボンネガティブな(=二酸化炭素排出量の方が吸収量よりも少ない)メリノウールを使うのはブランドとして初めてという。メタン由来のバイオプラスチックでできた装飾ボタン、サトウキビ由来のポリエチレンのパッケージもカーボンネガティブ。ミッドソール、アウトソールには、従来から採用している、サトウキビ由来のカーボンネガティブなEVAフォームを使用した。輸送にはバイオ燃料の船便を利用している。
日本のほか、ニューヨーク、ロンドン、ドバイ、ソウルの店舗で扱い、日本以外は既に発売済み。全世界で500足限定で、うち日本では75足を販売する。「発売時はどの都市でも行列ができた。特にドバイでの引き合いが高かった」(マーケティング担当者)という。
今後のカギは
他のシューズにいかに広げるか
「オールバーズ」は「ビジネスの力で気候変動を逆転させる」ことをミッションとして掲げている。計測を始めた20年のカーボンフットプリントに対し、25年は50%削減、30年までにカーボンフットプリントゼロを目標としている。23年時点で20年に対し40%の削減を達成したといい、「目標に対し前倒しで進行できている」と、ゴールドウインの西田幸平オールバーズ事業部長。
今後、ブランドが目標とするカーボンフットプリントゼロを達成するために、“ムーンショットゼロ”はマイルストーンとなる商品だという。「“ムーンショットゼロ”で採用した再生型農業の取り組みなどを、どう他のシューズにも広げていくかがカギ。“ムーンショットゼロ”は、今後の商品開発におけるDNAになる」という。