公益財団法人樫山奨学財団(東京都中央区:理事長・亀岡エリ子)は11月7日、本年度の第9回「樫山純三賞」受賞者を発表した。現代アジアに関する優れた図書に贈られるもので、学術書分野を伊藤亜人・東京大学名誉教授の学術書「珍島 韓国農村社会の民族誌」(弘文堂)が、一般書分野を、大西裕・神戸大学大学院法学研究科教授の一般書「先進国・韓国の憂鬱 少子高齢化、経済格差、グローバル化」(中央公論新社)がそれぞれ受賞した。
同財団は1977年、故・樫山純三=オンワード樫山(現オンワードホールディングス)創業者が、経済的理由により修学が困難な成績優秀な大学生及び大学院生への奨学援助を目的に私財を投じて設立。これまでに2450名余りの学生を援助してきた。「樫山純三賞」は2007年の財団設立30周年を機に創設され、国際的視野に立った社会科学の優れた人材を表彰している。とりわけ、21世紀初頭における国際経済社会にとってアジアの共生が大切であることから、現代アジアに関する独創的で優れた図書の著者へ贈られている。今回は奇しくも韓国に関する2作が同時受賞した。