
毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年4月7日号からの抜粋です)
横山:ファッション&ビューティ企業で働き始める新入社員に業界の基礎知識を知ってもらいたいと始めた、毎年4月初めの恒例企画です。僕が担当になって今回で2回目。ビジネスの側面を大事にしたいと考え、データブック色を濃くして、数字から規模感を把握してもらう形にしています。今年も約70社を紹介しています。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は知っているけれど、その親会社がLVMHで、同じグループに「ディオール(DIOR)」や「ロエベ(LOEWE)」「フェンディ(FENDI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」もあるといったことなど、新人にとって発見にあふれていると思います。
牧田:今年は企業データに売上高の前年比も加えていて、その企業の成長・低迷が一目瞭然。私は国内のビューティ企業をまとめるページを担当しましたが、多くの企業が中国の市場低迷の打撃を受けていて、厳しい状況です。見開きでコンパクトにまとめると、そういうことが伝わりやすいですよね。落ち込んでいる企業の低迷原因と伸びている企業の好調の理由が分かると思います。
社員同士の会話のネタにしてほしい
横山:数字にフォーカスしたり、企業の解説が多いけれど、商品軸や店舗軸で重要な企業も取り上げたいと今回は百貨店売上高やショッピングモールの店舗面積をランキングでまとめたページも作りました。マーケティングは自分の目と足で確認したものをデータと組み合わせて分析することが大事。行けるところにはぜひ足を運んでほしいです。
牧田:ビューティでは2009年からの「ベストコスメ」のランキングを数値化して、この15年間通算のベスト製品を算出しました。
横山:つまり本当のベストセラーですよね。どこのブランドのどの製品なのか、めちゃくちゃ気になります。とりあえず、それだけ知っておけば、間違いないということですよね。僕もビューティ業界は門外漢で、資生堂や花王はなんとなく分かるけれど、ロレアルやエスティ ローダーがどんなブランドを抱えているかまでは把握できていなかったりするんですよね。この特集を読みながら、先輩社員と新入社員が会話してくれたらいいなと思います。