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「いい香りに包まれると、そこが居場所になる」 創業450年の日本香堂が世界に届ける香りの文化

INDEX
  • マインドに働きかける日本の香文化を世界に
  • 目に見えるデザインと見えない香りの共通点

線香やお香、ホームフレグランスなどを手掛ける日本香堂グループは今年、創業450年を迎えた。同社は、室町時代に京都で創業以来、天皇や将軍、茶道の家元に香を提供。「鳩居堂」や「松栄堂」といった香りの老舗と共に、日本における香りの文化をつくってきた。香道は、茶道や華道と同じ香りを嗜む日本特有の文化。日本香堂では、お香の「香十(KOJU)」を始め、ヒノキなどの和木天然オイルを使用したフレグランス「キトワ(KITOWA)」、仏ホームフレグランスの「エステバン(ESTEBAN)」「ジェオデジス(GEODESIS)」などを手掛けるほか、米国やベトナムなどでもホームフレグランスや不動産事業を展開している。

マインドに働きかける日本の香文化を世界に

同社は創業450年を迎え、ブランドロゴを刷新。新ロゴは、アートディレクターの葛西薫とタイプディレクター小林章が手掛けた。新たなスローガンは、「香りと旅する日本香堂グループ」。世界のホームフレグランスをリードするグループとして、事業の効率化やシナジーの向上を図る。17日、都内で開催されたイベントで日本香堂ホールディングスの小仲正克社長は、「日本の香文化は、マインドに働きかけるスピリチュアルな面がある。クリエイションに広がりがあり、革新的な開発ができるホームフレグランスのトップランナーとして歩んでいきたい」と語った。

同社は「450プロジェクト“聞く アウェイク ユア スピリット”」を掲げ、日本の香文化を国内外に発信していく。日本の香文化を多彩な視点で捉えた書籍「日本の香」の出版を始め、平安時代の香を再現した“六種の薫物”や新作お香「高井十右衛門 2025No.4」を発売。また、福島県の銘酒蔵「宮泉銘醸」と協業したお香と日本酒「羅國暁霞」も登場する。また、香りの老舗「鳩居堂」「松栄堂」と共に「お香の日」である4月18日から1カ月、東京・銀座と京都で回遊型イベント「香り博 2025」を開催。香りのスタンプラリーや香道体験などのワーククショップを行う。また、「香十」銀座本店やオンラインで行ってきた日本の香文化を学ぶプログラム「座香十」のメニューを充実させ、寺院などでも開催していく。

目に見えるデザインと見えない香りの共通点

イベントでは、デザイナーの篠原ともえとアートディレクターの葛西、日本香堂の調香師である堀田龍志がトークショーを行った。篠原は、「香りは感情を導いてくれるもの。日々香りを取り入れている。デザインするときは、白檀の香りをまとってスイッチを入れる」と話した。ロゴを担当した葛西は、「デザインは視覚的なものだが、見えないものも感じてほしい。造形から醸すものを感じるのがデザインで香りに近いものがある」とコメント。堀田は、「調香は、画家がテーマを決め、構図を考え、色を選びのせていくプロセスと同じ。香りは目に見えないから、より感動するものを作らなければ」と語った。

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