ファッション

新生・京都BALがお披露目 「ロンハーマン」目玉に33店舗を厳選し世界観を発揮

 1970年から京都・河原町でファッションビルを営んできた京都バル(BAL)が2年7カ月の建て替え期間を経て、8月21日に拡張グランドオープンする。18日に関係者向けの内覧会を行い、館内を披露した。新コンセプトは「上質なショッピング体験を提供する商業ビル」。モノを購入するだけでなく、売り場の醸し出す世界観の中で、発見や感性を磨くことができるような上質なショッピング体験を提供。ターゲットは「親子3世代」で、年間売上高は以前の35億円から倍増の、70億円を目指す。年間来店客数は500万人を予定する。想定商圏は関西を中心に、京都への観光客も対象にした全国と考えているという。

 今回の建て替えでは、敷地面積は従来の350坪(約1155平方メートル)から、隣接地を含めた850坪(約2805平方メートル)に拡大。地下2〜地上6階の8フロアで、総売り場面積は3650坪(約12045平方メートル)となった。通常ならば100店舗近く配置ができるが、厳選した33店舗を誘致し、ブランドの世界観を存分に表現することに力を入れた。

 京都バルの開発・運営を手掛ける中澤の中澤勇・社長は、「独自の世界観で支持されるカテゴリー・ナンバーワンの店舗をどれだけ入れられるかが勝負だ。モノ自身に力があり、東京だ、大阪だ、京都だといったところを超えた、世界中のどこでも売れる素材を持つ店に、思いきり世界観を表現できる空間を提供した」と話す。また、「今の時代、衣料品は難しく、2〜3年ももたないことも多いが、この店は10〜20年残るはず。次の時代を担う才能のある人間と一緒に作り上げたので、安心している」と説明する。

 特に今回の京都バルでは、三根弘毅サザビーリーグ執行役員ロンハーマン事業部ジェネラルマネージャーがキーパーソンになっている。目玉店舗はもちろん、最上階の6階ワンフロアを使うサザビーリーグの「ロンハーマン(RON HERMAN)」と「RHカフェ(RH CAFE)」だ。売り場面積は456.5坪(約1506平方メートル)で過去最大であり、路面店、インショップともに1階のグランドフロア以外では初めての立地になる。しかし、6階に上がるといきなり空中庭園に出る造りになっており、店内にも吹き抜けを設けることで、自然光が入り、まるで路面店のようなゆったりとした空間を実現している。メンズやウィメンズ、アクセサリーなどに加え、テーブルウエアやリビングを充実した"リビング"や、アメリカンカジュアルテイストの"R"、アートスペースや子供用のお絵描きコーナーなども備えた。

 また、「ロンハーマン」の1号店から手掛けているソウユウ(SO,u)の吉田幹・代表が、館全体のデザインも担当。外観は、アメリカの古い建物をイメージ。内装は、洋館のホテルのようなイメージで、ゆとりがありつつ、メリハリのある空間デザインや意匠で、回遊性を高めている。

 加えて、「エストネーション(ESTNATION)」「レイチェル アシュウェル シャビーシック クチュール(RACHEL ASHWELL SHABBY CHIC COUTURE)」「アメリカンラグ シー(AMERICAN RAG CIE)」「タアコバ(TAACOBA)」「アガット・セレクション(AGETE SELECTION)」、日本1号店となるロサンゼルス発の老舗コールドプレスジュース店「デービッド オットー ジュース」など、サザビーリーグの7業態が集積しているのが特徴だ。

 さらに、トゥモローランドは"デパートメントストア"を空間コンセプトとして、オリジナルとインポートを展開する300坪(約990平方メートル)の「トゥモローランド(TOMORROWLAND)」や、神奈川・葉山で2012年から展開してきた海の家から派生した、ナチュラルでヘルシーでスタンダードだけれども遊び心のある商材を扱う新業態「キャバン ハヤマ(CABAN HAYAMA)」を展開。

 4・5階の「ザ・コンランショップ(THE CONRAN SHOP)」とウェルカムの「トゥデイズスペシャル(TODAY'S SPECIAL)」と「無印良品(MUJI)」「カフェ&ミール ムジ(CAFE & MEAL MUJI)」のコントラストや融合も見どころだ。

 その他、中澤が直営展開する京都発のコスメ&雑貨店「コトシナ(KOTOSHINA)/古都品」や「セオリー(THEORY)」「マーガレットハウエル ショップ&コーヒー(MARGARET HOWELL SHOP & COFFEE)」「マルニ メンズ アクセサリー ショップ(MARNI MEN'S ACCESSORY SHOP)」、地下には約983坪(約3244平方メートル)の「丸善」なども集積する。

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