昆虫の羽根を想起させる幾何学的なパターンに、リングドットのジャカードドレス、視覚的にも鮮やかな色柄は、昆虫の皮膚や鱗(うろこ)のような表面を模したものだ。テーマは「INSECTOPIA(インセクトピア)」。昆虫という意味のインセクトと楽園というユートピアをかけ合わせた造語で、「昆虫の棲む楽園をイメージしている」とデザイナーのMUG。ヘムラインがペプラム状に膨らむドレスや繭、蛹(さなぎ)を思わせるコクーンシルエットのコート。蝶の羽根は大胆にアレンジされ、迫力のある柄が、ミニドレスやオールインワンといった都会的なアイテムに落とし込まれている。透け感のある素材に鮮やかな色柄を合わせ、中には昆虫柄の刺繍使いもある。少々不気味に見える表現も、デザイナーの狙い通り。終盤には、レインボーや玉虫色に輝くジャケットやスカートを披露。コートの背面に羽根のようなボリュームを持たせたディテールは、ピッチの広いタックを駆使したもの。ハリ感のあるテキスタイルを多用しているのも特徴だ。