出発点は、以前からデザイナーのMugが好きだったというジョン・ウィリーの作品。ウィリーは、1940?50年代に発行されマガジン「Bizarre(ヴィザール)」を主宰し、表紙のイラストも手掛けていたボンデージアーティスト兼フェティッシュカメラマン(Mugの腕には彼のイラストのタトゥーが入っている)。彼が描いたクラシックでエレガントな女性像を現代に蘇らせた。
彼のイラストは刺繍やプリント、ジャカード織りなどで多用。特にインターシャのニットや、ジャケット、トップス、くるぶし丈のパンツのセットアップといったアイキャッチなアイテムやスタイルが目を引く。象徴的なスタイルはミニ丈あるいはペンシルラインでボディラインを強調し、レースアップのディテールを加えたボンテージスタイル。とはいえ、ウィリーが「NOヌード、NOセックス」を提唱していたように、ドキツい印象はない。あくまでエレガントでキュートなスタイルだ。メイド風のスタイルやナイトガウンを羽織ったパジャマルックもある。「少しのエロスが欲しかった」とMug。ソフトボディコンシャスなスタイルだったり、袖やスカートにラッフルをあしらったりと、あくまで上品かつフェミニンに仕上げた。また、レザーやファーを多用し、ラグジュアリーでゴージャスな印象も。カラーパレットは「ヴィザール」マガジンの基本カラー、白、黒、クリーム、オレンジを採用し、イラストのほかに、今シーズンスマッシュヒットを飛ばしそうなチェック、千鳥格子といったモチーフを採用。いずれも大胆に拡大し、レイヤードするなど視覚的にも面白いスタイルを並べた。
【コレクションの全ルックはこちら】
【東京コレクションの速報一覧はこちら】