ファッション

【要注目の最新7ブランド≫CASE 6】スタイリスト起用型

あらゆるものをそぎ落として、シンプルに生まれ変わる 【ザ ヴァージニア/ヒロタ】

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 ヒロタの新ブランド「ザ ヴァージニア」のプロデューサーに起用されたのが、人気スタイリストの佐々木敬子だ。モデルのスタイリングを手掛けるだけでなく、自ら雑誌の企画ページや連載などに登場し、昨年末にはスタイルブック「Ketty's FASHION LIFE(ケティズ ファッションライフ)」(宝島社)を発売するなど知名度も高い。また、スタイリストの傍ら、25歳くらいから 20を超える国内外ブランドのプロデュースも手掛け、最近ではジュエリーブランド「アガット」とのコラボコレクションを発表。ブランドを手掛ける立場としても活躍の幅を広げている。

 

 新ブランド「ザ ヴァージニア」のブランドコンセプトは、「等身大のラグジュアリー」。32歳をコアターゲットに、日常に進化を求める大人の女性に向け、「カジュアル」「シンプルベーシック」「ヴィンテージ」の 3スタイルを提案する。「シーズンコンセプトは特に設けないが、今シーズンは撮影旅行で行ったイタリアのカプリ島をイメージし、色使いや素材で爽やかな雰囲気を表現した。コンセプトの一つとして、まずはベーシックなものを作りたくて、トラッドのイメージだけじゃないリラックスを追求したシャツを選んだ。ラグジュアリーブランドも使用するイタリアの生地を使いながら、幅広い女性が"誰でも似合う、誰でも着こなせる"と思えるアイテムをリーズナブルに提供する。これが一番やりたかったこと」と話す。また、「ヴィンテージ」はフランスの刺繍メーカー、アルベール・ゲガンを使用し、「素材や色み、ヴィンテージのノスタルジックな雰囲気はそのままに、腰回りや丈感などを何十回も直し、今らしいシルエットやサイズ感で着こなせるよう落とし込んだ」とスタイリストらしいこだわりも特徴だ。

         

 

 数多くのブランドを手掛けてきた佐々木プロデューサーにとって「ザ ヴァージニア」立ち上げは、これまでとは違う心意気だったという。「2年前に出産し、それまで休みもなく朝まで仕事をしてきた生活とは違って、今は家族と過ごせるオフの時間を大事にすることができ、プライベートと仕事をうまく両立できるようになった。自分自身、楽になったし、コミュニケーションも増えた。それから、何か新しいことを始めたいと思った時とブランド立ち上げが同じタイミングだった。ブランド名はゼロからのスタートを意味するものにしたくて、純粋な"ヴァージン"と価値観のある"ヴィンテージ"を合わせた。あらゆるものをそぎ落として生まれ変わる。そしてシンプルで自然なスタイルを追求する」。これが佐々木プロデューサーの新たなライフスタイルであり、「今の時代が求めているものだと思う」と話す。「身の回りのものを整理したら、すべてがクリアになった。『ザ ヴァージニア』では、この想いに通じるような"本当に好きなもの"と"本当に欲しいもの"をリーズナブルに提供したい。買っては捨てるというエナジーは使わずに、何十年も着ていけるような服を作りたい」。今後は展開中の下着やコスメ、キャンドルなどのカテゴリーを拡充し、「ベッドシーツやカーテン、子ども服などを増やし、ライフスタイルブランドとして確立できるよう成長していきたい」と語る。

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