「H&M」の新たなデザイナーズコラボレーションライン「メゾン マルタン マルジェラ・ウィズ・H&M」の発売が11月15日に迫っている。それに先駆け、ニューヨークで10月22〜23日、メディア向けイベントが開催中だ。22日午後には、マルジェラのデザインチーム及びH&Mのクリエイティブ・アドバイザーと、世界各国のメディアとの「ミート&グリーティング」(懇親会)がソーホーのモンドリアンホテルの最上階にあるペントハウスで行なわれた。
今回のコレクションのテーマは「コンセプチュアル&タイムレス」。1988年のパリでのデビューコレクション(89年SS)にあったトロンプルイユのカットソーから、2012年SSの平面を意識したウィメンズジャケットや、メンズでニットをトロンプルイユで表したカットソーまで、「すべての『メゾン マルタン マルジェラ』のクリエイティビティの歴史の中から、アイコン的アイテムを『リ・エディション』したものだ」とマルジェラのデザインチーム。「特に『アンビギュイティ(あいまいさ)』『シェイプ&ボリューム』『オーバーサイズ』『プロセス・オブ・テーラリング』『トランスフォーメーション(変身・再構築)』など、マルジェラの重要な要素を再現した」という。
デザインやフォルムはそのままに、ファーやスウェード、カシミヤなどの素材を置き換えることと、「H&M」のインフラやスケールメリットを活用することで、数千〜2万円台を中心としたリアルクローズとして提供するもの。今回の取り組みについて、「どんな制限があるかとH&Mに聞いたら、『すべて可能だ』と言ってくれた。とてもポジティブなサプライズだった。また、企画デザインからパターン、縫製、フィッティング、修正まで、すべての工程を社内でコントロールしていることや、複数の生産地を抱えて、商品ごとにベストなプロダクションソースを選ぶことができる点も驚いた」と明かす。
一方、マーガレッタ・フォン・デン・ボッシュ「H&M」クリエイティブ・アドバイザーも、昨年から交渉し、今年に入ってからモノ作りに着手するなど「短期間でのコラボレーションだったが、難しくてラディカルな『マルジェラ』のデザインを、実際に着心地の良い形にすることができて満足している。特に、ベルトを多様したジャケットなどはコストとの戦いだったが、良いものができた」と振り返る。
ウィメンズでは、デューベ(布団)コートやブラトップ付きボディスーツ、ソックスを組み合わせたニット、カーシートドレス、グローブ付きバッグなど、メンズでは、隠しエリのコートや、オーバーサイズのジャケットやデニム、シングルとダブルを半身ずつ合わせたジャケット、ベルトをつなぎ合わせて作り上げたジャケット、サッカーマフラーを組み合わせたニット、ギターケースバッグ、ハンドペイントシューズなど、おなじみのアイテムが勢揃いする。アイテムは、ウィメンズ37点、メンズ27点、アクセサリーがウィメンズ22点、メンズ14点の全102点
世界230店舗とオンラインで限定販売し、日本では東京3店舗(銀座、渋谷、新宿)、名古屋(名古屋松坂屋店)、大阪(戎橋2号店)の5店舗で、11月15日から販売する。なお、ニューヨークでは明日23日夜に、ダンスパフォーマンスやショッピングパーティによるお披露目イベントを行なう予定だ。