経産省産業省と日本貿易振興機構(JETRO)は7月3日、ミャンマーの魅力を発信するイベント「グレース」を南青山のアイドルで開催した。同イベントは、ミャンマーのテイン・セイン大統領の来日に合わせて、魅力的な地場産品を世界の富裕層などとつなぐ、新たな市場開発の機会を作るための取り組みとして実施。厳重な警備体制の中行われたイベントには、安倍晋三内閣総理大臣や宮澤洋一経済産業大臣などもゲストとして来場した。
急激な開発が進むミャンマーに対し、日本が継続可能な発展への施策を提案する「ミャンマー発展ビジョン」を提出した直後に行われた同イベントの挨拶では、現地旅行で購入したという赤いストールを巻いた、宮澤洋一経済産業大臣が「ミャンマー都市部の製造業と地方部の農業発展をバランス良く進めていきたい」とコメントした。
さらにミャンマー出身で地元経済の活性化や人身売買撲滅活動などを取り組むファッションデザイナー、モー・ホムがインスタレーションを発表。伝統的な織物や柄をワイドパンツや深くスリットを入れたドレスなどに落とし込んだ、モダンでオリエンタルなコレクションを拝見した安倍総理は、「素材とデザインの素晴らしさに感銘を受けた」とし、多くのファッション関係者を前に「業界内のミャンマーへの注目度の高さも感じた」と続けた。それを受けたテイン・セイン大統領は、「ミャンマーの着物が美しいのはもちろん知っているが、安倍昭恵・総理夫人が今日のドレスに伝統衣装を選んでくれたことで、さらに自国の魅力が伝わった」などサービス精神のあるコメントを残しつつも、互いに両国の取り組みをさらに深めていく意志を強く示した。
会場では合同展示会「ルームス」の佐藤美加プロデューサーが、現地で見た色彩豊かなジュエリーや伝統的な織物などをセレクトして展示。蓮の繊維をよって糸にする実演なども行われ、日本であまり知られていない、現地の民芸品や輸出産業品などを訴求した。