ファッション

「J.Wアンダーソン」2014-15年秋冬ロンドンメンズ 素材広がるシェアウエア、アイデアとフォルムの拡充に期待

 「ロエベ(LOEWE)」のクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、初となる「J.Wアンダーソン(J.W.ANDERSON)」のコレクションが開かれた。

「ロエベ」のクリエイションを任されることとなり、気力も資金も充実してきたのだろう。コレクションは、ジョナサン・ウィリアム・アンダーソンという奇才でさえ直面していたハズの「素材のバリエーション不足」と「縫製の甘さ」などの課題を克服し、レベルアップ。序盤から、エンボス加工を施したスポンジ状のムース、ネップの入ったウール、ローゲージのニット、ジャカードで花を描いた光沢素材など、様々なマテリアルが登場した。それをラグランスリーブ&ドロップショルダーのバルーンシルエットにまとめたり、パフスリーブを搭載したり、規則的なプリーツを刻むことでボディコンシャスなラインを描いたり、レディライクなアクセサリーとスタイリングしたり。こうして探求を続ける「男女でシェアできる洋服・スタイル」を生み出していく。

しかし、素材のバリエーションが豊富だからこそ、一本調子な「ジェンダーレスなシェアウエア」というアイデアと、ボリュームばかりの単調なシルエットが目についたのは否めない。序盤にはトーガのように平面的な洋服も登場したが、その後はどんな素材を用いても、出てくるのはラグランスリーブとドロップショルダー、ダーツを駆使したボリュームシルエットばかり。そこに盛り込むサプライズも、フリルやパフスリーブを筆頭にフェミニンなディテールばかりで何かに固執している印象だ。また、ボトムスは腰骨に引っ掛けて履きこなす、圧縮ウールのリラックスパンツばかり。メンズと言えど、バリエーション不足は深刻だ。半年前までの「セリーヌ」の影響も散見された。さらなる飛躍は、引き続き次回以降に期待したい。

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