性差を全く意識しないような、また性差を飛び越えるようなクリエイションで話題を集めている「J.W. アンダーソン」。デザインを手掛けるジョナサン・ウィリアム・アンダーソンは、クリエイションについてどう考えているのか?来日したアンダーソンにインタビューを行なった。
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WWDジャパン(以下、WWD):今季もメンズとウィメンズのコレクションには、共通点が多く見られた。あなたにとって"性差"とは?「アンドロジナス」というキーワードはファッションを表現する上で必要不可欠?
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ジョナサン・ウィリアム・アンダーソン(以下、JWA):そもそも「アンドロジナス」という言葉は、もう時代遅れだと思う。僕のデザインを表すキーワードは、「シェアド・ワードローブ」。つまり男女が自由にシェアして着ることのできる洋服だね。"性別"はデザインする上で重要ではないし、余分なものを削ぎ落していったら、ジェンダーレスなアイテムに仕上がる。ただ、スタイルの提案という点で、やっぱりストーリーやキャラクターは重要だと思うから、メンズとウィメンズをあえて別々に発表しているんだ。
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WWD:では、常にシェアされることを意識しながら制作している?
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JWA:必ずしもシェアされることを前提に作っているわけではないけど、意識はしているよ。僕のブランドのDNAとも言えると思うけど、クリエイションのベースはメンズウエア。僕が基礎から学んだのはメンズだし、どうすれば上手くいくかという成功法もわかっているからね。ウィメンズのコレクションは、そこから派生しているんだ。
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WWD:自身のコレクションにおける男性像や女性像は?
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JWA:コレクション毎に描く女性像や男性像は変わる。でも、いつもパオロ・ロべルシが撮影した同じ男性と女性の写真をもとにして、デッサンを描き始めるんだ。モデルの人選に関しても、ブランドに特定の色をつけてしまうのが嫌だから、ショーのファーストルックには、なるべく新しいモデルを使うようにしている。
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WWD:ほかにデザイナーとして心掛けていることや意識していることは?
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JWA:常に何か新しいもの、刺激的なものを見せたいと思っている。みんなも僕のコレクションに今まで見たことないものを期待しているんじゃないかな。ブランドとしても、どこかのフォロワーではなく、リーダー的な存在でありたいと思っているよ。
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WWD:ショーが話題になるだけでなく、取扱店も着実に増えているようだが、今後のビジョンは?
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JWA:1年半以内に路面店をオープンさせたい。場所?やっぱり東ロンドンかな。あと、オンラインショップも始めたい。ディフージョンラインを始める予定はないけど、ブランドが大きくなるにつれて「J.W. アンダーソン」のビジネスの核になるようなコマーシャルなニットウエアなどのアイテムも増やしていきたいな。
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