「J.W. アンダーソン(J.W. Anderson)」は今シーズンもコーディネートでは遊ばず、フォルムとテクスチャーを凝らしたドレスやセットアップなど、一点の存在感で勝負した。前後左右のアシンメトリーなヘムラインやシャープなカッティング、生地をバイアスに取ってツイストを効かせたパターン、シャーリングで生み出したアンバランス感など、毎シーズン見られる得意とするテクニックを踏襲したコレクションだった。しかし、今季はいつもに増してどことなくリアル。LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトンが少数株式を取得し、ビジネスが新体制になったことで、よりラグジュアリーな顧客に向けたアイテムの提案なのか。構築的なマキシ丈のルック33体を披露した。
ショーは、コーデュロイのフィット&フレアなドレスでスタート。胸をマークするビスチェのようなものをのせたデザインが印象的だ。また、その後のルックでも続くように、広い肩幅と立体的な袖を添えてマニッシュに仕上げている。さらに今シーズンのロンドン・ファッション・ウィークで多く見られる高めのタートルネックもポイントだ。このほか帯を巻いたようなテーラードのコートドレスやローウエストのスカート、片サイドのみをドロップド・ショルダーにしたアシンメトリーなドレス、ビッグラペルの半袖ジャケットのセットアップなど、縦に走るシャープなラインでコレクションをまとめ上げた。