ファッション

市川猿之助とNIGOが松竹歌舞伎×ユニクロ プロジェクト披露 「本物の歌舞伎、日本の伝統文化を世界に発信したい」

 ユニクロは松竹と協業し、日本を代表する伝統芸能である歌舞伎を服を通じて現代のポップカルチャーとして世界に発信する「松竹歌舞伎×ユニクロ プロジェクト」をスタートした。3月19日にパリのマレ店でお披露目イベントを開催し、翌20日から販売を開始したのに続き、3月26日には東京でも発売。日本のグローバル旗艦店であるユニクロ銀座店で、プロジェクトアンバサダーの4代目・市川猿之助(2代目・市川亀治郎改め)とUTクリエイティブ・ディレクターのNIGOを招き、会見を行った。猿之助は「海外に行くと、日本文化が間違って伝わり、隈取り(歌舞伎独自の化粧)のデザインもなんちゃっての使われ方が多いことに気付く。ユニクロと、長く歌舞伎を興行してきた松竹とで、『これぞ本物の歌舞伎』というものを世界で発信したい」と意気込みを語った。また、デザインについては「意見を出したものをNIGOさんがうまくデザインしてくれた。澤瀉屋(おもだかや)の家紋でもある三つ猿紋をあしらったTシャツは、"猿=エン"と読むので、『さまざまなご縁がありますように』『"忌(エン)"、禍(わざわい)がなくなりますように』という意味がある。また、隈取りには魔除けのパワーアイテムのような意味もある。海外でも発売されるし、日本でも海外のお客さまの買い物に来られている。世界規模でデザインさせていただいた。どういう反応があるか楽しみだ」とコメント。パリのイベント翌日には、オペラ店にも立ち寄り、自ら販売状況を確認したとも明かした。

 会見終了後にNIGOを直撃すると、「実は歌舞伎が大好きで、月に2回ほど見に行っている。猿之助さんの襲名披露公演は1年間で5回見に行った。同じ演目でも異なる役を演じることもあるので、地方にも足を延ばすことも多い」と明かす。プロジェクトのために衣裳部屋なども訪れたが、「まさに宝の山だと感じた」といい、その高揚感が伝わるラインアップになっている。特に、役者が芝居後に汗を含めて、隈取を布に写し、サインをしたものを贔屓(ひいき)筋などに配る「押し隈」はとても貴重なもので、ファン垂涎の逸品。「実は僕自身も欲しいと思っていたものなので、猿之助さん本人が実際に写し取った押し隈をTシャツに実現できてうれしい」とニッコリ。「ファレル(ウィリアムス)など、海外の友人たちからも『すごくクールでいいね!次に会う時には持ってきて』と頼まれている」と、海外のクリエイターらからの注目の高さも実感しているという。

 商品ラインアップは、メンズTシャツ、ウィメンズTシャツ、同チュニック、ステテコ、リラコ、ミニバッグ、トートバッグ、ストール、バンダナで、9型・61柄。

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