ナイキは、3月16、17日の2日間、「ナイキ イノベーション2016」を開催した。同イベントは、4年に1回、オリンピックイヤーにナイキの革新的なテクノロジーや新しいプロダクト、コラボレーションを発表するもので、今年はニューヨークで世界各国のメディアを招いて開催した。
今回のイベントのキーワードは、ずばり"パーソナリゼ—ション"だ。
スニーカーに足を入れるとかかと部分に装着されたセンサーが作動し、自動で自分の足に合ったフィットで靴紐が締まるスニーカー"ハイパーアダプト 1.0(HYPER ADAPT 1.0)"を発表した。さらに側面にある「+」と「−」のボタンを押せば、締まり具合を微調整できるもので、10年の歳月をかけて完成した画期的なテクノロジーだ。3時間の充電で2週間使用できる。年内にも発売予定だ。
また、新しいNike+ アプリでは、一人一人に合ったプロダクトやサービスの提供をすることで、アスリートをサポートするシステムを発表。登録者におすすめのトレーニング方法や食事、好みのスニーカーの購入予約情報といった、よりパーソナルな情報を教えてくれるというものだ。
さらにナイキ エアの最大化であり、レボリューションともいうべき、ソール部分が全面クリアになったランニングシューズ"ナイキ エア ヴェイパーマックス"や、超軽量で足にぴったりフィットするニット構造の"フライニット"を進化させた"ナイキ フリー RNモーション フライニット"など、さまざまなジャンルのイノベーションが発表された。
コラボレーションにおいては、藤原ヒロシ、マーク・パーカー社長兼CEO、デザイナー兼副社長のティンカー・ハットフィールドの3人によるプロジェクト"HTM"の新作を発表。加えて、これまでのコラボレーションで使用されたカラーや素材で、自分好みにスニーカーをカスタマイズできるNIKEiDが新たにスタートする。
一方、「ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(GIVENCHY BY RICCARDO TISCI )」のクリエイティブ・ディレクターであり、ナイキのクリエイティブ・ディレクターでもあるリカルド・ティッシと、ナイキの実験室ともいえるナイキ ラボとのコラボレーションでは、コラボ初となるアスリート向けのパフォーマンスウエアをデザインした。米国女子陸上競技選手のサーニャ・リチャーズや男子陸上競技選手のアシュトン・イートンをビジュアルモデルに起用し、白と黒のカラーパレットのシリーズ第1弾と花柄と万華鏡柄を融合させたプリント柄のシリーズ第2弾を発売する。花柄は、ティッシの故郷のイタリアや2016年オリンピックの開催地、リオデジャネイロの花をデザインに採用。さらに彼の好きな星やスカルモチーフが見え隠れするプリントになっている。米国では第1弾は7月、第2弾は8月に発売予定だ。
マーク・パーカー社長兼CEOは、オープニングで「パーソナライズド・パフォーマンス時代の幕開け」を宣言し、革新的なテクノロジーが一人一人にさらに寄り添いサポートするといった、これまで未来に描いてきたことが現実となることを力説した。