ニューヨーク・コレクションの魅力は、玉石混合のコレクションの中から、キラリと光る新しいブランドを発掘するチャンスがあるところだ。2011年にスタートした「タンヤ・テイラー」もそのひとつ。セントマーティン美術大学出身で、オルセン姉妹がプロデュースする「エリザベス・アンド・ジェームス」(「ザ・ロウ」のカジュアルライン)でキャリアを積んだデザイナーだ。
秋冬のトレンド素材である、紙のように薄くて軽いレザー使いを巧みに取り入れている。テーパードシルエットのパンツは、ウェストにゴムを入れたり、裾にジッパーを取り付けたりと、スポーティな要素を加えてレザーでもリラックスした雰囲気に。強面になりがちなレザーのボンバージャケットは苺ミルク風ピンクで甘さをプラス。もうひとつのトレンドアイテムである、マスキュリンなオーバーサイズのコートも色を白、素材をアルパカとすることで軽やかに見せている。サリー風ドレスやインドでの豪奢な手刺繍など、どこかエスニック、どこかレトロなスパイスが効いている。