「ジャンバティスタ ヴァリ」の2013-14年秋冬クチュール・コレクションは、可憐な純白のフラワードレスから幕を開けた。花の描き方は、クチュール・コレクションらしくバリエーションに富んでいる。刺繍で描くのはもちろん、プリント、そして花柄レースのカットアウト。こうしたテクニックを1着のドレスに最低2つ以上加え、白を基調としながらもドレスに奥行きを与えている。
しかし、シルエットは可憐よりむしろ、快活。ほとんどがひざ上丈のミニドレスで、一部のスカート部分は、まるで傘のように急速に広がるフォルム。ロングドレスもあるが、それはひざ上丈のドレスの下に異素材のトレーンを差し込んだ構造になっている。デザイナーが得意とする、少女性は今シーズンも健在。まるで野原を走る少女にピッタリの一着だ。
だが、そのフォルムにこだわりすぎたあまり、コレクション全体は広がりを欠いた印象。ショート丈以外の、少女性やデイウエアの要素の表現方法が欲しかった。
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