数回にわたって壮大な"神様"をテーマにコレクションを構成してきた「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」が、新たなストーリーを打ち出した。日本最古の歴史書、古事記にも記述があったとされる布織りの道具"シャトル"からインスピレーションを広げ、織姫がスペースシャトルに乗って地球にやってきたという序章を発表。子どもたちが太鼓を叩いてスタートしたショーは、ボロボロの布をまとった織姫が登場し、シャトルを模した木造のスペースシャトルに乗り込んでショーは終了した。ショーというには、あまりにも短い時間。デザイナーの山縣良和は「神様をテーマにやり切った感があったので、次は宇宙しかなかった(笑)」と語る。
現在、渋谷パルコのパルコギャラリーで開催している「絶命展」に参画している山縣デザイナーだが、アート系の展覧会でファッションを訴求するには、どうしたら良いか考えたという。「プレタポルテ、オートクチュールでもない、違った見せ方をしたい。試行錯誤をしながら、アートとのかかわりやファッションについて考えたい」。どうやら、織姫が地球に来て、布を探すストーリーになりそうだ。絶命を、刹那や輪廻転生、生命感に置き換え、ポジティブに表現するとも。神様の次は宇宙。自らを追い込むような、壮大なストーリーは続く。