10月に渋谷のパルコミュージアムで開催された展覧会「絶命展(ファッションの秘境)」の特別企画として3日夜、国立新美術館を会場にファッションショーが行なわれた。同美術館の1階エントランスホールを舞台に、20組以上の若手クリエイターが参加。同展をプロデュースしたデザイナーの山縣良和、坂部三樹郎を中心に「ヌスミグイ(NUSUMIGUI)」「タカシ ニシヤマ(TAKASHI NISHIYAMA)」「ティート(TIIT)」など、多くのクリエイターが実験的な作品を披露した。
今回は「絶命展」の特別企画"新美編"として発表。これまでに制作した約20点の作品を発表した「タカシ ニシヤマ」の西山高士デザイナーは、「急に参加が決まったものの、多くの観客に見てもらうことができた。同美術館でショーが行われたのは意義のあること」と語った。普段は、ショー会場として使うことができない国立新美術館だが、今回は観光庁が推進する日本の文化施設をイベントなどに活用する"ユニークベニュー"のテストケースとして実現した。
また、ショー開催前には、クールジャパン機構の太田伸之・社長をゲストに迎え、山縣良和と坂部三樹郎の3人によるトークセッションを行った。太田社長は「日本人がパリ・コレクションに参加しても、儲けることはできない。なにも、欧米市場に横たわる旧来型のファッションビジネスに迎合することはない。若いデザイナーはアジアを見据えてほしいし、センスと工夫があれば必ずビジネスにつながる」と語った。