バルスがインテリア雑貨「フランフラン(FRANCFRANC)」を刷新する。2013年12月にセブン&アイ・ホールディングスの傘下入りをしたが、これに伴い元株主の三菱商事傘下でバルスのOEMを手掛けてきたMCリビングの約50人が移管され、SPA化を推進。さらに、今年4月に初めてクリエイティブ・ディレクターを起用。高島郁夫・社長は「20代が中心顧客のポップなイメージがあるが、実際は40歳前後のお客さまが一番多い。ライフステージが変わり、年を重ねても若い感覚を持つ人々が増える中で、彼らに共感してもらえるモノづくりを目指す」と“大人化”を宣言した。
クリエイティブ・ディレクターに抜擢したのは、ラグジュアリー・ブランドのPRアシスタントを皮切りに、ギャル系の「エゴイスト(EGOIST)」や大人の艶カジュアル「ジュエリウム(JEWELIUM)」などをディレクションしてきた服部真奈美だ。主な狙いは2つ。一つはインテリアにもファッション性や時代の気分などをより反映すること。もう一つは、リビングやダイニング、バスルーム、ベッドルーム、大物から雑貨まで、カテゴリーもアイテムも多岐にわたるものをチームで商品開発する中で、テーマを明確化し、コーディネート力を高めることだ。今回の展示会では森や海、ドライフラワーなど自然をテーマに新たな世界観を発信した。「『フランフラン』の新しい姿を発信するためには、マスコミやデベロッパーに展示会でリアルな商品・空間を見せるのが一番だと思った。店長向けの説明会も開き、社内に浸透させる意味でも効果的だと考えた」と話す。
他にも「ラ・ブティック・ド・ラ・メゾン」「バルス トウキョウ「ジェイピリオド」「WTW(ダブルティー)」を手掛け、2015年1月期の売上高は前年横ばいの330億円を見込むが、「売り上げの9割弱を占める『フランフラン』に再フォーカスし、都市型で、デザイン・クオリティーを上げ、上質ブランドとして訴求していきたい」という。「世の中には“ほっこり”ムードが漂うが、ファッションを意識した楽しいものを提供したい。3月にはスロベニア人デザイナーのミカ・ズバンと協業した家具を発売し、年間売上高10億円を目指す」と意気込む。国内の店舗数は約150店舗で、年間10~15店舗を好立地に移転する。海外は「6店舗ある香港が売上高前年比120~130%と好調だ。来年米国でeコマースをスタートする。ゆくゆくは欧米にも出店したい。そのためにも今、ブランディングをし、グローバルブランドにしたい」と高島社長。一方、サーフカルチャー系「WTW」も好調だ。「サーフカルチャー、イコール、ハワイアンではなく、ノースカリフォルニアのカッコイイスタイルを提案する。来年3月には、表参道に高級業態『WTWサーフクラブ』をオープンする」と明かす。
注目のセブン&アイ・グループ入りのメリットについては、「店舗のオペレーション能力や単品管理力、マネジメントに優れており、効果が出ている。また、来年、強力な新業態を一緒に立ち上げる予定だ。これが将来の事業の柱の一つになるはずだ」。