美への情熱と最高の職人技から生まれる芸術的なハイジュエリーやコンプリケーションウォッチ。その本当の価値と魅力を学びたい人のために、「ヴァン クリーフ&アーペル」が2012年2月、パリのヴァンドームに開いた"夢の宝飾時計学校"「レコール ヴァン クリーフ&アーペル」。日本でも2013年7月に2週間だけ東京で特別に開講されたのは、まだ記憶に新しい。美術史家や歴史家、そしてメゾンのクリエーションを担ってきた熟練の宝石鑑定士、宝石職人、時計職人による講義や実技を通じて、宝石やジュエリー、ウォッチの基礎知識やその歴史、メゾンの偉大なクリエーションのプロセスやその素晴らしさを体感できる。これまでの2年間に約30もの国から2200人を超える学生が学んだこの学校がこの1月に新住所に移転。さらに充実、発展を遂げた。1月27日に行われたプレスプレビューのレポートをお届けする。
新しい所在地は、パリ・ヴァンドーム広場の22番地。広場にあるブティックの上の階を改装して誕生した、ロテル ヴァン クリーフ&アーペル デ メティエール。総床面積約750�uに及ぶこの空間の中には、2つのクラスルーム、宝飾時計の関連書が揃ったライブラリーのほかに、宝石学、ジュエリー、デザイン、時計製作と4つの常設ワークショップが設けられている。
感動的なのは、美を追求するハイジュエリーメゾンの美学が貫かれた、学校らしからぬ洗練された空間デザインだ。2つあるクラスルームは、教室というよりもサロン。そしてそのひとつでは18世紀の内装を再現。さらに時計製作のワークショップのデスクは、ブラック&ホワイトのカラーリングで統一されている。これほどラグジュアリーな宝飾時計学校は、世界のどこにもない。
芸術史、サヴォアフェール(芸術的な職人技)、原石の世界の3ジャンルから構成されるプログラムもさらに充実。特定のテーマについて、専門家と対話し意見を交換しながら学べる好評の「カンバセーション・プログラム」も継続して提供される。さらに東京で開校したのと同様に、今後もレコールは"旅する学校"として年に1度、ヴァンドーム22番地を離れて、世界のどこかで開講される予定だ。
最高峰のジュエリーとウォッチを生み出す宝飾時計産業。そして、その背景にある、デザイナーや職人たちの偉大な情熱と技術。秘密が当然というこの世界のタブーを破って、その内容をあらゆる人に、新しいかたちで伝えるこの学校は、ミステリー・セッティングの開発など、この世界に多大な貢献を続けてきたこのメゾンらしい画期的な文化貢献。その充実と発展は世界の時計宝飾業界にとっても、最高にうれしいニュースである。
?