その年の家電トレンドを占うと言われる今年のCESではファッションとデジタルが融合したウエアラブルファッションアイテムが多く登場した。実は、日本でもそうした“デジタルファッション”の未来を支えるテクノロジーが年末に相次いで発表されていた。
1.ウェアラブルファッションの未来を知りたいならこの本
「テクニウム」
「テクニウム」ジョン・ケリー(みすず書房) 「ワイアード」の創刊編集長であるジョン・ケリーが、世界の未来を指南。文学や音楽から、はてはインターネットなど人が生み出したテクノロジー全般が、もはや自立した生態系=テクニウムであると喝破し、だからこそその生態系を解き明かすことで、人とテクノロジーの未来を考えようというエポックメイキングな本だ。ファッションの関係者は、ジョン・ケリーの提唱する「テクニウム」という概念が、実はかなり“ファッション”と似ていることに気付くはずだ。その意味でも、いろいろと示唆と気づきに富んだ本といえる。昨年は東レとNTTがウエアラブルコンピューターの普及を大きく進める「hitoe(ヒトエ)」を開発。大きく注目を集めている。
2.今さら聞けない3Dプリンタを知るには
「南極点のピアピア動画」野尻抱介(ハヤカワ文庫)
「メイカーズ」クリス・アンダーソン(NHK出版)
(左)「南極点のピアピア動画」、(右)「メイカーズ」
昨年大ブレイクした3Dプリンタ。過剰なブームはやや去った感はあるものの、3Dプリンタがもたらす可能性は大きい。っていうか3Dプリンタって何?的な今さら聞けない人にオススメなのが、クリス・アンダーソンの「メイカーズ」。これ一冊を読めば、3Dプリンタのことがわかった気になれる。ライトな表紙とは裏腹に、日本きってのハードSF作家。日本発のニコニコ動画を絡ませながら、3Dプリンタが作る、自動機械/ロボットが作る未来の世界を描く
3.テクノロジーが発達した1000年後の人類とは?
「ディアスポラ」
「ディアスポラ」 グレッグ・イーガン(ハヤカワ文庫)
MITやハーバード大学ではすでに、極小化したPCのようなマイクロチップを人体に埋め込むインプラント研究が盛んだという。ではそのインプラント人間の先にある、人類の未来とは?という究極的な未来を描いくのが、この「ディアスポラ」だ。人間?はすでに体を捨て去り、人類のような思考体は、電気信号のようなものになっていた....身体の捨てた後の人類の未来とは?