ファッション

世界最大の上海素材展が及ぼす影響とは?

 2016-17年秋冬向けのファッション素材見本市「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」が10月13〜15日に上海市内で開催された。約20万平方メートルという、日本最大のショッピングセンターであるイオンレイクタウンと同規模の会場には、世界29カ国から約4600社が出展した。同見本市は、中国企業はもちろん、イタリアの有力企業94社が参加する「ミラノ・ウニカ」、JFWが主催する「ジャパン・パビリオン」など、欧州やアジアの企業が国ごとにパビリオンを設けた。
 ファッション素材におけるトレンド分野での中国の影響力は強い。ストレッチ素材「ライクラ」で知られる素材メーカー・インビスタのスティーブン・スチュワート=北アジア地区アパレル・コマーシャル・ディレクターは、「ストレッチ素材であるスパンデックスは全世界の7割が中国で消費されており、しかも今もなお伸びている。縫製は東南アジアや南アジアにシフトしているが、テキスタイルは依然中国の競争力が高い」と語る。同社は16-17年秋冬向けに発表した、「ライクラ」の新素材を使った"補整ジーンズ"を、全世界に先駆けて8月に中国の有力アパレル「ONLY」で商品化した。

 ファッション素材分野では、中国発の新しいテクノロジーも登場している。中国の上海T&Yインターテックスは、スクリーンプリントとインクジェットを組み合わせたプリント技術を開発した。インクジェットプリントはスクリーンプリントに比べ生産量が劣るとされているが、同社の技術を使えば1日10万mのプリント生地生産が可能という。昨年10 月から量産を開始しており、「データと生地さえそろっていれば長くても7日以内で納入できる。中国の有力ブランドとは、店頭の売れ行きを見ながら、2週間で追加発注する仕組みで回しているところもある」(同社)という。

 約4600社も出展しているため、ユニークな展示も見どころの一つ。東洋紡子会社でアクリル繊維メーカーの日本エクスランはクールジャパンをテーマに、コスプレやアニメでブースを彩った。

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