東京ブランド「ミカコ ナカムラ」は、デイリーライン「エムフィル」から、ウエストゴムのパンツに特化した新ブランド「ナンバー エム」をスタートする。
もともと「エムフィル」のアイテムとして、2010年にウエストにゴムを施した"イージートラウザーズ"を発売。今では珍しくないウエストゴムのパンツだが、当時はヨガなどのスポーツウエアとしてのアイテムが主流。同商品は、オフィスなどでもはけるゴムパンツの先駆けとして、ヒット商品になり、累計6万本を売り上げている。
新ブランド「ナンバー エム」では、よりファッション性やモード感を強めた"ゴムパンツ"のみのコレクションを提案。シーズンによってデザイナーが自由に表現する"プレゼント"、素材やパターンなどで、ファッションと機能性を融合させた"アクティブ"、世界中を飛び回る人たちに向けたデイリーライン"ジェットセッター"の 3つのラインで構成する。シーズン性のある"プレゼント"では、タイムトラベラーをテーマに、裾に芯地を入れて丸く張り感を持たせたワイドパンツや、スーパーカーのモチーフをジャカードで表現したパンツなどが登場。全てのアイテムには、ウエストにダブルゴムを採用し、内側には、ブランドのアイデンティティーカラーである、肌触りのよいブルーゴムを、外側には、凹凸感のある石目織りのゴムを採用し、トップスをインしてもモードでスタイリッシュに見えるアイテムを提案する。中心価格帯は2万2000〜2万6000円台。ファーなどを使用した、30万円のアイテムなどもそろえる。
卸先は、ブランドの世界観を打ち出せる百貨店やセレクトショップなどを想定。すでにニューヨークでも小規模な展示会を行い、来春を目安に海外への卸しも行っていく予定だ。新ブランドのスタートにより、既存の「エムフィル」の"イージートラウザーズ"は型数を絞る。
中村三加子デザイナーは、「これまで『エムフィル』のアイテムの一つだったので、ヒット商品ではあったが、上手く価値を付けられていなかった。"ゴムパンツ"と聞くと、着心地はラクだが、ゴムの部分は長めのトップスで隠して履くなど、安っぽいイメージが先行している。それを覆すような、モード感があり、なお且つライフスタイルに溶け込むようなアイテムを作っていきたい」。来春には、メンズラインもスタートする予定だ。