青森県弘前市は、同市のアパレル・ファッション産業活性化のため、ファッション専門学校エスモードと提携、仁野覚エスモード インターナショナル代表を国際化推進アドバイザーに任命した。弘前市は、10年以上前から全国高等学校ファッションデザイン選手権大会(通称:ファッション甲子園)を実施しており、アパレル・ファッション産業を精密・医療、食品と並ぶ重要3分野と指定して、市の活性化を図っている。
4月7日、エスモード ジャポン東京校で行われた弘前市国際化推進アドバイザー委嘱状交付式で、葛西憲之・弘前市長は、「弘前市の縫製企業は世界の有名ブランドの生産を請け負っており、技術のレベルは高い。世界的なネットワークを持つエスモードと連携し、ファッションだけでなく、津軽塗、こぎん刺し、ブナコなど伝統工芸を世界に打ち出す。世界に大きなうねりを作りたい」と話した。また、仁野覚エスモードインターナショナル代表は、「弘前市のファッション企業が持つ伝統の技術力は、パリのそれと共通点があり、さまざまな可能性を感じている。ファッション業界活性化の新しい方法を探りたい」と抱負を語った。今後、廃棄生地を活用した製品制作プロジェクト、若手デザイナーの育成、地域オリジナルブランドの発表、エスモード パリ校での弘前物産展開催など産官学連携による事業が計画されている。
エスモードは、1841年のフランスで、ルイ・フィリップ皇帝の時代にアレクシス・ラヴィーニュがパリに設立した世界最初のファッション教育機関。1984年、フランス国外に初めて東京校を設立。現在、エスモード インターナショナルグループは、世界14ヵ国21校に拡大している。
相川克彦