セレクトショップ、ザ シークレットクロゼットのオリジナルブランド「ザ シークレットクロゼット」が、今秋から「シクラス」に改称し、海外への卸をスタートする。バーグドルフ グッドマンとNYエクスクルーシブ契約を交わした他、シカゴのブレイクやイタリアのサンカルロ1973、韓国のブーンザショップなどの専門店が2016年プレ・フォール・コレクションおよび2016-17年秋冬コレクションを販売する。
「ショップを始めて、来年が10周年。それまでに海外で展開することは1つの目標だった」と小野瀬慶子「シクラス」クリエイティブ・ディレクター。2006年にユア サンクチュアリーを設立し、翌年、神宮前にザ シークレットクロゼット1号店をオープン。同時に「ザ シークレットクロゼット」をスタートし、5年ほど前からはパタンナーなども抱え、自社で企画生産してきた。"パーソナル""クリエイティブ""ラグジュアリー"をキーワードに、素材をイタリアやフランスなどに求めながら、ほとんどを日本で生産。価格帯はコート・ジャケットで11万?48万円と高額ながら、大人の女性のための高感度なウエアとして、国内で支持を集めてきた。サイズバリエーションは増やしたものの、これまでのモノ作りと変わらぬコレクションで、1月と3月にパリのショールームで海外初お披露目をし、見事本命とも言うべき卸先を射止めた。
この機にブランド名はショップと切り離した。「シクラス」は、ラテン語とギリシャ語が語源の英語で、古代ローマのローブを意味する。「海外での展開を考えるにあたり、ブランド名にあまり明確な意味を持つものでないものにしたいと考えた。『シクラス』は英語圏の人であっても、あまり聞いたことがない単語で、こちらで色が付けられると考えた」。"日本発信のラグジュアリー・ブランド"としてのポジションを目指しており、10月のパリ・ファッション・ウイーク期間中にはプレゼンテーションを行う計画だ。
ザ シークレットクロゼットは現在都内に5店舗。銀座三越などの他、地方の有力専門店にも卸している。大阪、名古屋への出店も検討中だ。